「さくらんぼ食いたさ」のふるさと納税は ・・・
Twitter 界隈で、釣魚不全さんという方の tweet が話題だ(参照)。いわゆる「ふるさと納税」関連で、山形県が「返礼品提供事業者にかかる逮捕事案が発生したことにより、お届けすることができない状況でございます」とアナウンスしているらしい。
山形県といえば他ならぬ私の出身県だが、事情がさっぱりわからない。「山形 ふるさと納税 逮捕」というキーワードでググってみたところ、山形県のオフィシャルサイトで「ふるさと納税寄附者の皆様へ ふるさと納税の返礼品取扱事業者にかかる逮捕事案への対応について」というページが見つかった。
ただ、お役所仕事の常とて、これでもまともに飲み込めない。そこでさらに調べると、山形県寒河江市の「ふるさと納税」に関わる不正で、さくらんぼ業者 2人と元寒河江市職員 1人が逮捕されてしまっているのだとわかった(参照 1、参照 2)。
かいつまんで言うと、寒河江市へのふるさと納税の「返礼品」を扱うのは寒河江市の業者でなければならないのだが、市外の業者が市の職員に賄賂を払って市内の業者の如く装い、しかも返礼品の送付費用を実際より多く受け取るという不正を行っていたというのである。
元職員への賄賂は 2回に分けて支払われ、30万円と 50万円の合計 80万円だった。こんなもんで安定した公務員の仕事を棒に振るなんて、「ちゃっちいウソ」が「大きな代償」に結びついてしまった典型的な例と言える。
さらにおいしいさくらんぼの返礼品を期待していた納税者にとっては、「がっくり事案」というほかない。3年ほど前に ” 「ふるさと納税」の返礼品って、食い物ばっかり!" という記事で書いたように、この手の話は、どうにも「うまいもの食いたい」という欲望が先に立つようなのである。
納税者が結束して「ちゃんとさくらんぼ食わせろ!」という訴訟なんか起こしたりしたら、話のちゃっちさに拍車がかかってしまいそうである。私は元々「ふるさと納税」という制度には疑問を感じてしょうがないのだが、これを機に一歩進んで「批判的」ということになってしまいそうだ。
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コメント
私もふるさと納税には批判的です。実際はふるさと納税でなく返礼品目当ての納税になってます。
多くの名産品を持つ自治体には多額の税金が集まりますが、そうでない自治体にはほぼゼロという現実があります。
私にとってのふるさとへの納税額(受取額)は数万円だった年度もあります。これではふるさと納税に係る自治体職員の人件費の方が上回ります。
人が欲しがるような名産品が何もないからです。梅干とかただの米では見向きもされません。
やはり税金はいま居住している自治体に納めるのが筋だと思います。なにかと世話になってるのですから。
投稿: ハマッコー | 2023年2月28日 00:29
ハマッコー さん:
まったく、おっしゃる通りだと思います。しかも「ふるさと納税」というのも名ばかりで、実際には縁もゆかりもない、食い物産地への納税ですからね。
それにしても、人間の「食い意地」(しかも、特産品的なものへの拘り)とは、やっかいなものですね ^^;)
投稿: tak | 2023年2月28日 06:53
私もこの制度が始まった当時から「ん?」と感じていました。「ふるさと」納税というからには、生まれ育った地方で義務教育など福祉を受けた人が、いざ働き手になった時には都会に出てしまって、そこに税金を納めることになることが多いので、ふるさとを思い出してそこにいくらかでも昔の恩返しをという発想から出たことではないかと。それなのに、ふるさとでもない土地の名産品をゲットする方法になってしまっているからには、「ふるさと」という言葉はもう使わないで欲しいと思います。
投稿: K.N | 2023年2月28日 18:30
K.N さん:
>「ふるさと」納税というからには、生まれ育った地方で義務教育など福祉を受けた人が、いざ働き手になった時には都会に出てしまって、そこに税金を納めることになることが多いので、ふるさとを思い出してそこにいくらかでも昔の恩返しをという発想から出たことではないかと。
そう考えるのが普通の感覚ですよね。そうじゃないなんて、何となく人間の「業」を感じてしまいます。
>ふるさとでもない土地の名産品をゲットする方法になってしまっているからには、「ふるさと」という言葉はもう使わないで欲しいと思います。
まったくですね。
投稿: tak | 2023年2月28日 19:40
「所得税減税目的の寄付」
お金ある人はどうぞどうぞどうぞどうぞどうぞどうぞ。
アタシャ通販すら、経済的、それしか方法がないなど熟考に熟考を重ねておりますので、ふるさと納税には未着手です。
国が認めた推奨した制度ですから文句の言いようもありませんが、広く国民に分け隔てなく、と言う制度とは思いません。
投稿: 乙痴庵 | 2023年3月 3日 20:08
乙痴庵 さん:
>広く国民に分け隔てなく、と言う制度とは思いません。
まったくですね。ヒマと金のある人しか相手にされないんでしょう。
投稿: tak | 2023年3月 3日 21:55