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2023年2月15日

「飛び恥」なんてことまでは、思ってなかったが

米子出張の任務を無事完了し、帰りの新幹線の中でこれを書いている。今回は米子までの往復に、東海道・山陽新幹線(東京〜岡山間)と伯備線の「特急やくも」(岡山〜米子間)を使った。東京〜米子間の所要時間が ほぼ 6時間で、自宅〜東京間を加えたら、片道でおよそ 8時間がかりの旅である。

230215  

ちょっと前までだったら、鳥取県まで行くのに迷わず飛行機を使っていた。2018年 8月末に鳥取県に行った時の記事を見れば、米子空港ロビーの写真を使っている(参照)から、やはり空を飛んで往復していたのである。この当時は、それでごく当たり前と思っていた。

ところが最近は、飛行機に乗るのが何となく嫌になってしまった。昨年 1月に九州の熊本に出張した時でさえ、新幹線を使っている(参照)。

ただ、5月に高知(参照)、6月に松山(参照)と、2ヶ月連続で四国に行ったときは、つい飛行機を使ってしまった。よく考えてみれば、今回のように岡山まで新幹線で行き、そこから先は特急の「しおかぜ」や「南風」で瀬戸大橋を渡るという手もあったのに。

次に四国に行く機会があれば、鉄道で行こうと思っている。是非瀬戸大橋をわたってみたいとも思うしね。

なんでまた飛行機を避けたいと思うようになったのか、実は自分でもあまりよくわかっていなかった。ただ何となく、「飛行機って、大袈裟すぎるよね」という気がしていただけのように思う。

昨夜、泊まっていた米子のホテルで、たまたま NHK『クローズアップ現代』の「揚げ油で空を飛ぶ」という特集を見た。飛行機は移動手段としては飛び抜けて大量の燃料を消費するため、世界では飛行機に乗るのが避けられるようになりつつあるという。

これに対応して航空機業界では、既存の燃料の代替として使い終わった食用植物油を分解し、SAF(サフ:Sustainable Aviation Fuel/持続可能な航空燃料)と呼ばれる航空燃料に作り変える動きが進んでいるようなのである。そんなことはちっとも知らなかった。

この番組では、ヨーロッパではそれほど必要もないのに安易に飛行機を使うのを「飛び恥」(flight shame)と言うようになっていると紹介していた。そういえば、そんな話を前にも聞いたことがあった。

そうか、私はそれほど明確には意識していなかったが、飛行機は環境負荷が大きいから避けたいという気持ちになっていたようなのである。「飛び恥」なんて、過激な言葉までは意識していなかったが。

我が国には「飛び恥」という言葉が嫌いという人が少なくないようだ。ただ、"shame" というのは日本的な「恥」とか「世間体」とかいうより、自分の良心に恥じるというようなニュアンスが強いと思う。

よく考えれば、自分が飛行機に乗らなくても飛ぶ飛行機の消費する燃料自体はそれほど変わらず、乗っている人の 1人当たりの環境負荷が高まるだけだ。「単なる気分の問題」というのもわからないではない。

とはいえ、「飛び恥」とまで言ってしまうほどの強い意識が、航空燃料の環境負荷を減らす開発の動きを促進しているのだとしたら、まんざらナンセンスなことでもない。というわけで、私も今後しばらくはなるべく飛行機を使わないようにしようと思った次第である。

まあ、外国に行くにも船で行けというほど過激なわけじゃないが。

 

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コメント

どこかの環境活動家(?)の女性が、「(なんかの)会議は船で行く!」ってこともニュースでありました。

EUでも「内燃機関の自動車はもうダメ」の方向になってますし。

もう大正時代の「移動は自転車と馬と大八車」くらいまで戻さないと、地球環境は良くならんでしょうねぇ。

あ、馬車や牛車は、動物愛護でアカンでした。
やっぱり賎民下層民は、馬車馬のごとく働かにゃアカンのね…。(´・ω・`)

投稿: 乙痴庵 | 2023年2月15日 19:02

乙痴庵 さん:

>どこかの環境活動家(?)の女性が、「(なんかの)会議は船で行く!」ってこともニュースでありました。

グレタ・トゥーンベリさんですかね。彼女、ストイックなんだか、過激なんだか、ちょっとわからないところがありますね。

まあ、「船で行く」とかは別として、EU はおおむね陸続きなので、大抵のところには鉄道で行けるからいいですよね。私は鉄オタじゃないですが、なかなかいいもんです。

>やっぱり賎民下層民は、馬車馬のごとく働かにゃアカンのね…。(´・ω・`)

近頃、なんでもかんでも値上がりで、「おいおい、ちょっと待てよ」と言いたくなってきましたね。

投稿: tak | 2023年2月15日 22:19

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