それなら、自民党は「政治家じじい70党」だろうよ
”NHK党の立花孝志党首、辞任表明 政党名は「政治家女子48党」に” というニュースで、「はあ? 何じゃ、そりゃ!」と思ってしまった。これは日本の大方の反応と同様だと思う。ところが試しにこの党の公式サイトを見て、ちょっとだけ考えが変わってしまった。
情報をちゃんと追ってみれば、この「党名変更」はそれなりに準備を重ねてきたプロジェクトだったとわかる。決して「破れかぶれ」とか「行き当たりばったり」の思いつきじゃないようなのだ。一見「おちゃらか」的だが、日本の硬直した政治状況を変えるには、案外有効な発想なのかもしれない。
そう思ってネット上を検索してみると、森山英樹さんという方が「政治家女子48党が日本を変える理由」という記事を書いているのを発見した。この人、浜田聡議員(政治家女子48党所属)の私設秘書というから今回の話に好意的なのは当然だが、それを差し引いてもなかなかおもしろい内容である。
詳細はリンク先に飛んで読んでいただければと思うが、重要な論点は明治期から憲政史上を支配してきたのは、板垣退助による自由党と大隈重信による立憲民主党の流れであるという指摘である。この流れは今でもとくに地方議会レベルで顕著で、選ばれるのはほとんど「土地の名士」という図式だ。
それは自由党の支持基盤だった当時の地主層の流れがずっと続いてきているからで、地方議員という実は暇な仕事なんて、ほとんど「名誉職」になってしまっていると彼は言う。うん、確かにそんな気配は濃厚だ。
ここから先は思い切り端折って書いてしまうが、そんな流れを覆すのは、選挙を「土地の名士」を議員にする儀式ではなく、若い層が主導して「アイドル」を選んでしまうイベントにするという意識なんだそうである。ふむふむ、視点を思いっきり変えてしまえばなかなか説得力のある話だ。
「選挙はアイドルを選ぶものじゃない」という人もいるかと思うが、私には少なくともこんなおっさんたち(参照 1、参照 2、参照 3、その他いろいろ)よりはずっとまともに見えてしまう。そんな意味でも、まんざらムチャクチャな話じゃない。
それに驚くべきことに、森山氏の記事、昨年 11月 30日付じゃないか。やっぱり、昨日や今日の思いつきじゃなかったのだね。
こうした視点で眺めれば、そもそも自民党なんて「政治家じじい70党」としか言いようがない。ここでいう「70」というのは、有力者のほとんどが 70歳過ぎの年寄りという意味である。
おっと、そんなことを言ったら、当の私も去年の誕生日で 70歳になっていたんだった。ただ、気分と体力はそれよりずっと若いつもりだから、戸籍年齢は見過ごしていただきたい。
というわけでとりあえず、とくに都会の地方選挙(変な表現だが)レベルから、「政治家女子48党」の動きにちょっとだけ注目してみようと思った次第である。
【付記】
「政治家じじい70党」は、「せいじかじじい しちじっとう」と読んでいただきたいので
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