「タワマン」って、やっぱり幻想の産物なんだね
「現代ビジネス」のサイトに ”多くの日本人が知らない・・・! 海外だとタワマンが「低所得者向けの賃貸物件」だという「信じられない現実」” という記事がある。住宅ジャーナリストの榊淳司さんという方の記事だ。
この記事のタイトルの意味は、多くの日本人は「タワマンに住むのがステイタス・シンボル」であると信じているが、実は「海外では逆」ということだろう。そもそも筆者自身にとってタワマンは当初から「違和感の塊」 だったとして、次のように語っている・
自分の感覚が日本人の多数派ではなさそうなことは、何となく知っていた。私は小さい頃から、自分の発想や感覚がマイノリティであることには慣れている。
この感覚に関して、私は「そうそう、そうなんだよね!」なんて心の中で大きく相づちを打ってしまった。そんなわけで、タワマンに「住みたくないなあ」と思ってしまう点も完全に共通だ。もっとも私にはそんなところに住むほどの資産はないから、別に心配なんかいらないのだが。
私が「タワマン」というものにちっとも魅力を感じないのは、要するに「都会には住みたくない」と思っているからである。とくにもう 70歳にもなって「職住隣接」なんてことも必要ないから、都会から距離をおいたところでゆったりと暮らしたい。そんなわけで、つくばの田舎に居を構えて不満はない。
さらに、タワマンなんてものに住んだら「エレベーター待ち」なんかしなければならないだろうから、マンションの入り口から自分の住居の玄関まで辿り着くのに結構なストレスがあるだろう。なぜか人気のあるらしい高層階なんかに住んだら、いくら高速エレベーターでもそのストレスはさらに拡大しそうだ。
うっかり者の私なんか、どこかに出かけるのに玄関から出て鍵をかけてしまってから、「おっと、忘れ物をしてる」なんて気付くことがしょっちゅうだ。タワマンなんかに住んで、マンションの入り口から出た辺りで「おっと、忘れ物」なんて気付き、エレベーターで戻るなんて、想像するだけで鳥肌ものだ。
さらにこの記事の続編 ”ご存じですか? 欧米の富裕層がタワマンに住みたがらない「深刻な理由」…!” まで読み進むと、ごく普通に合理的に考えるだけでも、タワマンに住むという選択は愚かなこととわかる。日本人がタワマンに魅力を感じているのは、単なる「イメージ」だけのようなのだ。
この記事には、さらに次のようにも書かれている。
何よりも、タワマンは普通のマンションに比べて居住性がかなり劣る。その最大の欠点は「隣戸の生活音が聞こえてしまう」ことだ。
それはまさしく構造的なもののようで、耐久性にも問題があるらしい。それを知ってしまうと、高い金を出してまでそんなところに住みたくはならない。
つくばの田舎に住んでいられて幸いというものであると、改めて思ってしまった。
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コメント
以前にエレベーターのないアパートの5階に住んだことがあります。
下まで降りたら、忘れ物をしたことを忘れたくなりましたねぇ。
足腰は鍛錬積めたと思います♪
遠く見渡せる!虫が上がってこない!利点もステータスもいっぱいありそうですねぇ。
20年くらい前ですが、義父の知り合いの住む「三十数階建の二十九階」にお邪魔したとき、「すげぇなぁ!」と、素直に思いました。
ただその方の変化が気になってしまい、それ以降お付き合いを控えました。
それは、「やたらと他人を見下す」発言が多くなったことです。
まるで殿様にでもなっちゃった?って言うくらい、われわれのことを貧乏人扱いするようになりました。
まぁその方とも音信不通ですが、インフラストップの際には「うっかりシッコもできんところ」にお住まいなのも、気の毒だなぁと勝手に思っております。
長々とすみませんでした。
ところで、タワーマンションはエレベーターで降下中にモヨオしてしまった対策で「エントランスにトイレがある」ってホントですか?(#4月1日)
投稿: 乙痴庵 | 2023年3月14日 19:46
乙痴庵 さん:
物理的に高いところに住むと、他を見下す視線が身についちゃうんでしょうかね。
10階建以上のビジネスホテルだと、エントランスにトイレがあるのがフツーだと思いますが、タワマンに関してはどうなんでしょうね ^^;)
投稿: tak | 2023年3月14日 21:08
元の記事でも触れられていますが、子どもの教育への悪影響を主張している方もおられます(「タワマン 教育」 などで検索するといくつもヒットします)。
曰く、外界の変化から隔絶された箱の中で生活してしまうこと、「ちょっと外に出る」のに10分もかかったりしてなおさら閉じこもってしまうこと、などです。
投稿: らむね | 2023年3月15日 00:09
らむね さん:
>「ちょっと外に出る」のに10分もかかったりして
これはかなり大きな問題なんでしょうねえ!
私だったらいくら金があっても、窓の外は何十メートルもの崖で、外に出るには細い一本道しかないところに住もうとは思いませんわ。
投稿: tak | 2023年3月15日 07:01
高層マンションの上位階に住むことで自分がセレブで上級国民であると自覚(?)できて、他人にマウントをとる人・・・
「○○と煙は高い所が好き、或いは○○とニワトリは高い所が好き」という俗っぽい諺ご存知なのかな?
最もこの場合の「高い所」とはおだてられるとすぐ調子に乗ってしまう人という意味らしいですが、昨近では高層マンション勘違い人間になってしまった気の毒な方にこそ当てはまる例えだと思ってしまいます。
持たざる者の僻みととられても仕方ありませんが。
投稿: K.N | 2023年3月15日 17:43
K.N さん:
>昨近では高層マンション勘違い人間になってしまった気の毒な方にこそ当てはまる例えだと思ってしまいます。
なるほど、言えてますね (^o^)
投稿: tak | 2023年3月15日 19:45
地方民の感覚からすると「成功者のお大尽になって住まいが集合住宅か……」となってしまいますが、まあ、都会という狭い地域に富裕層を詰め込むための方便としては必要なものなのでしょうね。ウサギ小屋を通り越してブロイラーに見えるとか、言いませんけど。全く関係ない話ですが、中国ではビル型の養豚所が流行してるそうですね。
と、好き放題言いましたけれど、こういうのは現物を一度も見ずに言ってるわけで、実際にはそれなりに快適で上等なようになってるのだろうとは思います。仮にも富裕層向けの物件なのですから、各部屋に作り付けの巨大書庫ぐらいは付いてるんでしょうし。
投稿: 柘榴 | 2023年3月17日 04:33
柘榴 さん:
>まあ、都会という狭い地域に富裕層を詰め込むための方便としては必要なものなのでしょうね。
なるほど、彼らは都会から離れたくないでしょうし、住むための空間を確保するなら縦に伸ばすしかなかったんでしょうね。
>仮にも富裕層向けの物件なのですから、各部屋に作り付けの巨大書庫ぐらいは付いてるんでしょうし。
彼らは、そんなに本を読むのかなあ?
おっと、偏見、偏見 ^^;)
投稿: tak | 2023年3月17日 07:56