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2023年3月25日

日本人が英語を使う目的は「伝達」より「自己満足」

下の写真は、Takashi Ohara さんという方が Quora の「英語で Ha Ha Ha!」というコーナーに投稿されたもの。「出張先のとあるホテル、Canteen の表示です。まあ、日本人の英語力なんてこんなものなのかなあ、、、」とある(参照)。

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画像の文字が小さくて読みづらいが、分別ゴミ箱のフタにはこんな風な表示がある。

(左側)ビン・缶・ペットボトル Bin・Can・Pet Bottle

(中央、右側)燃えるゴミ  Barnable garbage

この投稿には下のような秀逸コメントが付いている。なるほど、"bin" というのは米語で大きなゴミ箱のことだから。

左端のラベル、冠詞を全部省略したと考えると、キチンとした英文になる点が面白いです♪

Bin can pet bottle.
ゴミ箱は瓶をナデナデすることができる

ちなみにペットボトルは、フツーの英語では "plastic bottle" と言うように思うので検索してみたところ、やっぱり和製英語とわかった(参照)。"PET Bottle" がアウトなら、”Pet bottle" となると、変わり者がボトルをペットにしてるみたいな感じかな。

それから「燃えるゴミ」が "Barnable garbage" となっちゃってるのは、大方は既にお気づきと思うが、”Burnable" のミススペル。そして "garbage" というのは、同じゴミでも生ゴミというイメージが強いと思う。

ということは、スペルを修正して "Burnable gabege" としたところで、燃えやすい乾燥した生ゴミ(一体どんなんだ?)専用という奇異なイメージだ。実際問題としては、見ればいやでもゴミ箱とわかるのだから ”Burnables” (可燃)で十分と思うがなあ。

とにもかくにも、日本のビジネスホテルで見かける英語表示(下手すると日本語表示でも)というのは、ファンタジックなものがやたら多い。当ブログの 2014年 4月 26日付「ホテルの意味不明の貼り紙」という記事に添えた写真はこんなようなものだ。

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”Eco to a visitor of the use" というのは、相当な想像力を働かせても意味が理解できないだろう。そもそもの話として「エコをご利用のお客様へ」という元の日本語自体が「雰囲気だけ」の産物で意味不明だし、その下の方の英語もツッコミどころ満載だ(詳しくは画像からリンク先の当該記事へ)。

それから、17年 11月 6日付では、こんな写真も紹介してある。「朝の北欧海賊」とは、すごいよね。

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まあ、日本のビジネスホテルに泊まるような外国人の多くは、この国ではビュッフェ・スタイルのことを「バイキング」と言うと知ってるだろうから、笑って済ませられるけど。(ちなみに "Buffet" の英語発音は「バフェイ」に近く、「フェ」にアクセントを置くことが大切)

さらにこれはホテルではなく、駅ビルのトイレの表示なのだが、2012年 4月 24日付に添えた画像である。日本ではありがちな間違いと理解していても、"Men Toilet" (人間便器)という表示には、見る度に「朝の北欧海賊」以上の凄味を感じる。

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この記事には、米国かどこかのホテルのフロントで ”Call me taxi." を連発したという日本人の話も紹介している。おそらく「間違い英語 + ものすごいカタカナ発音」等々の合わせ技で、少なくとも初めのうちは「俺をタクシーと呼んでくれ」という風にも聞こえず、ただ面倒なオッサンと思われただけなのだろう。

まあ、「下手な英語でも、物怖じせず使え!」というのが、英語上達の筋道ではあるので、"Call me taxi." 程度は可愛いもので、実際に通じなくもないと思うのだが、せめて固定された案内表示ぐらいはちゃんとしてもらいたいよね。

まあ、日本人の英語を使う目的は、多くの場合「伝達」よりも単なる「自己満足」だからしょうがないけど。

 

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言葉」カテゴリの記事

コメント

先日、東京駅構内を歩いていましたら、
”ーーーinformation center.”というエイゴのアナウンスがながれていてズッコケました。
どこにもアクセントのない完全なニホンゴ読みでした。
information のどこにアクセントがくるか、それは中学で学習してます。

英語を使うのが仕事の一部であるのなら真剣に英語に向き合えと。NHKには英語の教育番組がたっぷりあります。YouTube にも素晴らしい講義がたくさんあります。

東京駅の社員は自身の話しているエイゴに全く疑問を感じてない。不思議でなりません。

ホテルやレストランの英語表記も同様です。
この表記で間違いがないのか、まったく疑問に思わないのが不思議です。複数の人が従事しているのに誰も声を上げない。アルファベットが並んでいればそれでOKという世界です。

この国の英語教育がどうのこうのという問題でなく個人の問題です。

投稿: ハマッコー | 2023年3月25日 18:49


ちなみにペットボトルは、フツーの英語では "plastic bottle" と言うように思うので検索してみたところ、やっぱり和製英語とわかった(参照)。"PET Bottle" がアウトなら、”Pet bottle" となると、変わり者がボトルをペットにしてるみたいな感じかな。

これに関しては懐疑的です。
PETがポリエチレンテフタレートを指しているわけで、PETボトルといえばコーラやその他飲料の使い捨て容器のことになります。
これを”本当は英語ではプラスチックボトルなんだ”としてしまうと、プラスチック製の様々な液体容器(日本語で言う水筒)と同じになってしまいませんかね。
https://my-best.com/13691

投稿: らむね | 2023年3月25日 20:38

ハマッコー さん:

>東京駅の社員は自身の話しているエイゴに全く疑問を感じてない。不思議でなりません。

単に「決まりだから繰り返してる」というだけの意識なのでしょう。

私の場合は新幹線に乗る度に、車掌の英語アナウンスのほとんどは外国人の乗客には英語であるとすら気付いてもらえないレベルと感じています。

わけのわからない日本語の一部としか感じられないでしょうから、やるだけムダですね。

https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2019/12/post-c2f1b8.html

この記事からリンクされる文春の記事には、

担当者は職場の「英語委員会」や「英語力向上委員会」と称する組織で、日々発音などの練習を重ねている。

とありますが、これはウソか、ウソじゃないとすれば、まったく機能していないと考えるしかないですね。

投稿: tak | 2023年3月25日 21:07

らむね さん:

>これを”本当は英語ではプラスチックボトルなんだ”としてしまうと、プラスチック製の様々な液体容器(日本語で言う水筒)と同じになってしまいませんかね。

この問題に関しては、私も「米国人って大雑把でテキトーだなあ」と思っています。

ただ、現実的にペットボトルも ”plastic bottle" というのが一般的で、専門的に区別する時は ”PET bottle" とならないわけでもないという感じでしょうね。

ただ、"PET" の読み方は「ピーイーティー」が一般的だと思います。「ペットボトル」というのは、個人的には日本人以外の口から聞いたことありません。それだけに、ネイティブには違和感なんでしょうね。

というわけで、本文でも触れましたが、文字で表記するときには当然ながら "PET Bottle" で、"Pet bottle" はちょっと・・・ ^^;)

投稿: tak | 2023年3月25日 21:31

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