「人を笑わせるあいさつ」って、どんなんだろう?
Twitter で宮坂洋生さんという方が「ハードル高い」と指摘しているのは、下の写真にある地域ポスター(参照)。「きいちのぬりえ」風イラストに、「あいさつで 地域の人を 笑わせよう」という、俳句調の標語が書かれている。一見すると「昭和レトロ」だが、よく見ると思いっきりシュールなポスターだ。
フツーの感覚で言ったら、「あいさつ」で醸し出される「笑い」は、同じ笑いでも英語で言えば "laugh" (声を立てる笑い)ではなく "smile" (微笑み)の方だろう。しかしながら「笑わせる」という日本語は、フツーには "smile" ではなく、”laugh" の方の笑いを誘う場合に使われる。
というわけで、このポスターには「素っ頓狂で滑稽な挨拶をして人を笑わせちゃおう」みたいなニュアンスを感じてしまう。「笑わせるんじゃねえよ!」ってなもので、このケースで実際に地域の人を「笑わせてしまった」のは、「あいさつ」じゃなく、この「ポスターそのもの」だったようだ。
敢えて添削させていただけば、「あいさつで 地域の人に 微笑みを」ぐらいにするのが無難だっただろう。この方がまともな 五七五 になるし。
ちなみに、宮坂洋生さんが「ハードル高い」と tweet したのは、人を笑わせるようなあいさつをするのは難しいというような意味だと思う。本当に、人を笑わせるあいさつってどんなものだろうと考えてみたが、ついぞ思いつかなかった。
マジな話、かなりの難問である。
| 固定リンク
「言葉」カテゴリの記事
- 日本人の英語力って、下から数える方が圧倒的に早い(2025.02.07)
- 「正念場」という言葉の深い意味(2024.12.30)
- 「豚殺し/ロマンス詐偽」ー 中身は同じというお話(2024.12.26)
- 和菓子、薬、滑舌訓練等々 ・・・ 「外郎」を巡る冒険(2024.12.11)
- 「図に乗る」というのも、突き詰めるのは難しい(2024.12.01)
コメント
本意としては、「地域の人と、笑顔で挨拶を交わしましょう」みたいなことなんでしょうね。笑わせる挨拶…。思いめぐらせたら、こちら大阪の吉本新喜劇などでは、各芸人さんのお定番のギャグとなっている挨拶(?)みたいなものが、いくつか思い浮かびました。
恥ずかしいので、いちいち書きませんが(笑)同じマンションの居住者同士でも、冷たく素通りしていくより、やっぱり感じよく、軽く会釈を交わすくらいの習慣はつけたいものです。
投稿: 琥珀波 | 2023年4月26日 19:55
琥珀波 さん:
>笑わせる挨拶…。思いめぐらせたら、こちら大阪の吉本新喜劇などでは、各芸人さんのお定番のギャグとなっている挨拶(?)みたいなものが、いくつか思い浮かびました。
「おじゃましまんにゃわ」は、使用機会が限定されすぎですね (^o^)
>同じマンションの居住者同士でも、冷たく素通りしていくより、やっぱり感じよく、軽く会釈を交わすくらいの習慣はつけたいものです。
まったく、その通りですね。
投稿: tak | 2023年4月26日 22:28
過去、嫌々ながら参加させられた「社内セミナー」っちゅうのを思い出しました。
講師を招聘した会社の偉いさんの挨拶に始まり…。
そこでなんらかの「笑い」を起こさせるスピーチしないと、「気の利いた挨拶」にならないと思っていらっしゃるのか、なにか間の抜けた「内輪ボケ」でお茶を濁すお偉いさんもいれば、内輪ボケに世相やグローバル視点を絡めて関心を伴う笑いにつなげるお偉いさんもいらっしゃいました。
後者の場合、そのあと自己紹介する講師さん、やりにくかっただろうなぁ…。(´ー`)
投稿: 乙痴庵 | 2023年4月28日 18:48
乙痴庵 さん:
なるほど、そりゃ、単なる「あいさつ」よりかなり上のレベルを行くものですね。手間のかかるのが難ですけど ^^;)
確かに、その後で自己紹介しなければならないのは、ちょっとツラいですね (^o^)
投稿: tak | 2023年4月28日 19:19