「お茶の子さいさい」という不思議な言葉
今朝、ラジオで「そんなの、お茶の子さいさいだよ」と言う言葉を聞いて、「これはブログのネタにしなければ」と思った。「お茶の子さいさい」というのは「とても簡単」とか「たやすいこと」という意味で使われるのだが、改めて考えてみれば、なかなか不思議な言葉である。
とりあえず私は、「お茶の子」というのが何なのか、この年になっても知らなかった。それに「さいさい」なんてのが続くのだから、不思議の上に「摩訶」という言葉を付けてもいいぐらいのものである。
とりあえず、インターネットの「語源由来辞典」というサイトで調べてみると、こんなふうな答えが出てきた(参照)。
お茶の子さいさいの「お茶の子」とは、お茶に添えて出される茶菓子のことで、簡単に食べられることから簡単にできるたとえとなった。
「さいさい」は、俗謡の「のんこさいさい」という囃子詞をもじったものである。
へえ、茶菓子のことを「お茶の子」と言うなんて、初めて聞いたし、「さいさい」は「俗用の囃子詞」だなんて、聞く方の力が抜けてしまうじゃないか。しかしまあ、仕方がないから、そうした由来なのだということにしておこう。これ以上追求してもしょうがない。
ちなみに、私のこよなく愛する「お茶の子さいさい」は、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」という辛子である。4年ほど前の記事で書いている(参照)。
これ、国産ハバネロを使用した激辛唐辛子で、辛モノ好きの私としては手放せないものだ。そしてこの「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」を展開するのが、京都の「お茶の子さいさい」というお店なのである。この記事の上にある画像が、そのお店のイメージだ。
ちなみに私は一昨年、このハバネロよりさらに辛い「ジョロキア」という実を使った辛子を試してみたのだが、小瓶を 1瓶使ってみて、やはり「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」に回帰した。というのは、こちらの記事で書いているように、ジョロキアは激辛すぎて、振りかける分量調節に神経を使ってしまうのである。
どういうことかというと、ジョロキアはよほど慎重にほんの一振りだけにしないと、さすがの私でも口が燃えてしまうような辛さになってしまうのだが、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」の方は、テキトーに振りかけても「フツーの激辛」で済むのでありがたい。まあ「フツーの激辛」というのは変な表現だが。
もっとも本家のお茶の子さいさいでは「激辛」ではなく、「狂辛」と称するようなのだね。ただ、私の感覚では「狂辛」というのはジョロキアぐらいのレベルにふさわしい表現で、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」は「フツーの激辛」という「安心できるレベル」(「万人が安心できる」という意味ではない)である。
というわけで。「お茶の子さいさい」は私にとって、別の意味で「必要不可欠」なものになっている次第なのである。
| 固定リンク
「言葉」カテゴリの記事
- 「正念場」という言葉の深い意味(2024.12.30)
- 「豚殺し/ロマンス詐偽」ー 中身は同じというお話(2024.12.26)
- 和菓子、薬、滑舌訓練等々 ・・・ 「外郎」を巡る冒険(2024.12.11)
- 「図に乗る」というのも、突き詰めるのは難しい(2024.12.01)
- 新幹線車内での富士山案内アナウンス、英語バージョン(2024.11.30)
コメント
「お茶の子さいさい」の意味は知っていました。ところでtakさんが超辛い物好きとは驚きました。食の好みから推察して繊細な味覚派に違いないと思っていましたので。
でも、味覚(甘・酸・塩・苦・旨)と辛みの感覚とは別物である、ということをNHKの何かの番組でやっていたことを思い出して納得です。
「辛いもの」と言えば、大分昔に「ブレア氏の午前2時」というペパーソースについてのエピソードをどこかの局でやっていたのが記憶に残っていて、なかなか面白く思ったものです。今でもマニアの間ではそこそこの需要があるらしく、午前3時・・・・・午前6時まであるそうです。午前6時に至っては、もはや調味料とはいえず、劇薬に値する物質らしいです。世の中にはそのようなものを敢えて欲しがる人もいるのですね。
投稿: K.N | 2023年4月29日 08:53
K.N さん:
確かに、「辛み」というのは、フツーの味覚とは別のメカニズムらしいですね。単純に「カーッ」と来るのが辛みです (^o^)
「ブレア氏の午前2時」というのは知りませんでした。ただ、午前 6時ぐらいの辛さでも、ジョロキアといい勝負ぐらいなんじゃないでしょうかねえ。
ご参考までに、こちらをどうぞ。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2021/09/post-28e605.html
投稿: tak | 2023年4月29日 13:41