最近のラーメン店の醸し出す「一種独特の世界」
昨日の記事で「肉食を止めたことで、チャーシューが付きもののラーメンを食わなくなった」と書いたのをきっかけに、最近のラーメン事情について調べてみたところ、”「クソ素人が来たな」二郎系ラーメン店主が批判レビュー客を公開非難し物議…その後謝罪し投稿は削除” という記事を見つけた。
ずいぶんわかりにくい見出しだが、要するに某「二郎系ラーメン店」(どんな店だか、私は知らない)の味について「不味い」「もう 二度と行かない」と tweet した客に、当の店主が次のように直接リプライしたのだそうだ。
もちろんもう二度と来ないでください!お残しに募金を頂いてるのですが、不快だったので声もかけず、ありがとうございましたも意識的に省略しました。
コールの時に「にんにくなし」って言われた時点で、クソ素人が来たなと思ってたんですけど案の上だったので、そもそもこういう輩が入って来ない店を目指したいです
ふぅむ、なかなかのものである。ちなみに「お残しに募金」というのは詳しくはわからないが、もしかしたらこの店では、食べ残しをする客からは募金を徴収することにしてるんだろうか。それから「案の上」は「案の定」と表記するのがフツーなので、そのあたりはよろしく。
このリプライについてはさすがに非難殺到したために、店主は謝罪文を tweet し、さらに関連 tweet を削除したのだそうだ。
この記事を読んで思ったのだが、最近のラーメン店というのは、かなり「イメージが濃い」というか、「さぞかしスープも濃いんだろうなあ」と思わせるような店構えが多いので、ちょっと下にコラージュしてみた。今回の記事は「次郎系」という店なのだそうだが、「家系」というのもかなり多い。
こうした店を支持する客層の「濃さ」も尋常ではないようで、店と客とのコラボによって「一種独特の世界」を構築しているようにも見受けられるのである。自店の味を支持しない客を「素人」と決めつけ、「こういう輩が入って来ない店を目指したい」というのは、かなり「閉鎖的かつ戦闘的」なもの言いである。
「一極集中の価値感」を追求しつつ、その姿勢を支持する客とともにますます先鋭化していくというイメージだ。「たかがラーメンで、スゴいことだなあ」と思ってしまうのだが、そんなことを言ったら、たとえその後すぐに「されどラーメン」というお約束の対句を続けたとしても、即刻排除されてしまいそうだ。
まあ、こちらとしてもこうした店のラーメンを食ってみようとはまったく思わないので、別に構わないのだが、このような「一種独特の世界」が今後どのように進化(あるいは退化)していくのかということについては、ちょっと興味が湧いてきてしまったのだった。
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コメント
横浜に家系ラーメンの元祖と自認する店があります。(注:家系とは〇〇家のように‟家が”店名の後につき、それは醤油豚骨味の店であることを表してるようです)
それは YМ家という店、相当濃いです。
店の前には常時10人くらいが並んでいます(入れ替え制)
順番が来て店内に入るとオヤジの講釈が始まります。
「皆さんの前にありますカウンターは総漆塗りで3000万円かかりました」
とか
弟子を指して「この男、年収800万です、誰か嫁に来てもらえませんか」
このくらいはまだかわいいもんで、カウンターの内側で弟子を怒鳴る、蹴るは客からしたらお約束事で、客は怯えながらラーメンを食べる羽目になります。
「オヤジ、うるせーよ静かに食わせてくれよ」なんて言おうものなら、「料金返します、縁があったらまた来てください」と言って追い出されます。
醤油豚骨ラーメンという分野を開発し、世間に広めたのは偉大な人物とは思いますが、私的には濃すぎて二度と行く気にはなりません。確かにうまいですが同レヴェルの店はいくらでもあります。並んでいる客も多分二度目はないでしょう。
投稿: ハマッコー | 2023年4月25日 22:54
ハマッコー さん:
ははあ、何となくウワサには聞いていましたが、やっぱりそういうものなんですね。
そんな店で「チャーシューと豚骨抜きで」なんて言ったら、追放されちゃいますね (^o^)
最近、つくば市内をクルマで通過する時に、「やたらと派手な佇まいのラーメン屋が増えたなあ」と、一種異様な気がしていましたが、佇まいだけじゃなく、店内の雰囲気も異様なんですね。
投稿: tak | 2023年4月26日 09:00
喰うことに不自由さを感じることが多くなった昨今、それは経済的世相的側面はあっても、謎とも受け止められる「お店ルール」が増えたことで不自由さを増長されてる感もあります。
一般的なマナー違反には激オコでも構いませんが、「謎ルール準拠」の一方的な制約制裁は、気軽にメシを喰う以前の「信仰のルール 」に近しいものと思ってしまいます。
もう会員制にしたらええやん!
あるいは、店頭にデカデカと貼り紙なり立看板なりして「当店のルール」を掲示すれば、お店と了承したお客の飲食契約成立です。
方や、ドレスコードや箸の上げ下げ、それなりのルールだかマナーだかを強制し続けた結果一般人(いえ庶民賎民…)が近づけない飲食店の存在も、一部の地域で根付いてますし。
ザギンの値段の書いてないお寿司屋さんなどもそうでしょう。(当然行ったことはないけどねぇ)
客が入れ替わり立ち替わりでシノギを出すお店と、長居してくつろいでもらってってお店の違いはあれど、最後に「ご馳走さぁん!」と言わせる食事を供することが、「最終目的」じゃなかったのかなぁ。
求道者様は、山奥で会員制で、求道してください。
少なくとも、「腕組みしてコッチを睨んでいる店主風」の写真が載ったカップ麺は、恐れ多くて買えません。
投稿: 乙痴庵 | 2023年4月26日 17:14
乙痴庵 さん:
>もう会員制にしたらええやん!
>あるいは、店頭にデカデカと貼り紙なり立看板なりして「当店のルール」を掲示すれば、お店と了承したお客の飲食契約成立です。
本当に、それがいいですね。マジでそうしてもらいたいです。
>少なくとも、「腕組みしてコッチを睨んでいる店主風」の写真が載ったカップ麺は、恐れ多くて買えません。
どんなのかと思って調べたら出てきました。
https://www.hamakei.com/headline/4813/
なるほど、ちょっとコワいですね ^^;)
投稿: tak | 2023年4月26日 18:42
さすがにここまでの唯我独尊的態度は業界でも異常なようで、のれん分けしてあげた本店からも勘当されたようですよ(笑)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a182a7a606e24a3c40ee6715d534eb01c1b0ab34
投稿: らむね | 2023年4月27日 00:24
らむね さん:
「勘当」ですか。「破門」より厳しそうですね (^o^)
投稿: tak | 2023年4月27日 08:59