「防災備準」って何だ?
下の写真は、本日買い物に寄った某スーパー(えーい、書いちゃえ、西友守谷店という店)の売り場である。出入口に近いところにワゴンみたいなものが置いてあって、ビスケットやら麦茶やら割り箸がごちゃっと積んであり、何かと思えば、「防災備準」と表示されている。
石川県と千葉県で強い地震が続いたので、ここは防災グッズのビジネスチャンスと捉えたのかもしれない。ただ、「防災」はわかるが、「備準」という熟語はこれまで見たことも聞いたこともない。
一瞬、そうした新語ができたのかとも思ったが、それも「まさかね」と思い直した。結局のところ、「防災準備」という売り場を作るつもりで、紙を貼る順番を間違えたんだろう。4枚の紙をプリントしたスタッフとしては、順番を間違えるやつがいるなんて思わなかったに違いない。
さらにおもしろいのは、この表示を目にしても、来店客の誰一人として「ありゃ?」なんて思わないようで、全然気付かずにスルーして行き過ぎるってことだ。「ははぁ〜!」なんて勘当して立ち止まり、そそくさと iPhone を取り出して写真まで撮っちゃう酔狂なやつは私以外にいない。
こうして見ると、表示された言葉なんて誰も気にしないものなのだね。目には入っても、読むことまではしないのだ。
で、それはそれとして、この「防災備準」のワゴンに載せられているのが、さらにまた「ははぁ〜!」と感動してしまうような品揃えなのである。
ビスケット、麦茶、割り箸は冒頭で触れたが、その麦茶というのは、ボトルに入ったすぐに飲めるものじゃなく、ティーバッグの袋詰めである。その他に、何だかよくわからない袋詰めの甘ったるそうなお菓子、キャラメル、レジャーシート、食品用ラップ、紙コップ、その他モロモロ。
要するに「普段のおやつ」みたいなものにお花見グッズみたいなものを加えただけだ。「防災グッズ」としてフツーに思いつく、飲料水、懐中電灯、モバイルバッテリーなどはない。
さらによくわからないのが、写真の右上に揃えられている「シームレス ピッチャー」という水差しボトルみたいなものだ。890円と 790円の 2種類ある。これ、ググってみたところ「パッキン ふた 一体型」のポットなんだという(参照)。そう言われても、まだよくわからないが。
そもそも「シーム(seam)」というのは「縫い目」のことである(参照)。このメーカー、「フツーのピッチャーって、パッキンとフタが縫い合わされてるでしょ! だけど、ウチのは縫い目がないから『シームレス』なんです」と言いたいんだろうか? う〜ん、ピッチャーの形容詞にはふさわしくないなあ。
というわけで、今日は本当になんだかよくわからない日だった。
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コメント
ラインナップの一部だけで推測するのもバカバカしいことですが、麦茶パックと大容量ボトル(ジャグボトル?)の「夏の売行き占い」だったりして。
梅雨明けくらいから本格的にそれら夏場商品の売行きとなるので、防災云々にかこつけて動向を探り事前のデータ取り。
そんな深い裏など、ないでしょうねぇ。
投稿: 乙痴庵 | 2023年5月15日 12:36
乙痴庵 さん:
>梅雨明けくらいから本格的にそれら夏場商品の売行きとなるので、防災云々にかこつけて動向を探り事前のデータ取り。
そうだとしたら、なかなか油断のならない世の中ですね (^o^)
投稿: tak | 2023年5月15日 20:23