「家族 切断」という名前のチェーン理髪店
先日、某所を歩いていたら「ファミリーカット」という看板を見かけ、「へえ、それって何屋さんなんだ?」と思い、確認したところ、いわゆる「1,000円床屋」だった。それにしても「家族 切断」ってのは、スゴい名前だなあ。
文字通りに受け取ったら、「家族の絆を断ち切る店」みたいなイメージである。「テープカット」(これは「和製英語」で、フツーの英語では "ribbon-cutting ceremony" というらしい)が「テープを切ること」なんだから、「ファミリーカット」だって自然にそうなるんじゃないかなあ。
帰宅してからググってみたところ、店名の由来まではわからなかったが、なんと千葉・埼玉・東京で 70店舗以上展開する結構な規模のチェーン店なんだと判明して(参照)、ますます驚いてしまった。茨城県になくて、ちょっとほっとした。
妻は「きっと、お父さんから子どもまで、家族の誰でも受け入れるお店というつもりなのかもね」と言うのだが、それにしてもスゴいよね。私だったらそんな名前は、恐ろしくて到底付けられない。
いずれにしても、理髪店、美容院のネーミング・センスってのは、雰囲気だけに流れすぎて驚いてしまうことが多いということは前にも書いた。こんな具合である。
美容業界、理容業界の「雰囲気だけの横文字」
"Cut House"(切られ家)と "Cut In"(割込床屋)
とくに気になっているのは、"Arms" という名の美容院の多いことで、その本家は青山の "Kamkimoto Arms" という超有名店である。想像するに「腕前」というようなつもりで付けたのかもしれないが、英語で "arms"(複数形)と言ったら、「武器、軍備」という意味になってしまうんだがなあ。
まあ、この方面の人たちというのは、言葉の文字通りの意味なんて気にしないで、イメージ優先でものを考える傾向が強いのだろうと思うほかない。
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コメント
私が35年利用している理容室も ‟切られ家”です。
職人になって50年くらいの ‟切られ家” 店なので私も余分なことは言わないようにしてます。
Bar ber もよくありますね。
下の一階の飲食店では ‟Flesh juice” を売ってました。(Fleshには植物の皮や種に対して果肉という意味もあるようなので満更間違いとは言えないようですが、最初に見た時はウッとなりました。Nativeにはどう聞こえるのでしょうか。ご存知でしたら教えてください。
投稿: ハマッコー | 2023年5月29日 23:16
ハマッコー さん:
>職人になって50年くらいの ‟切られ家” 店なので私も余分なことは言わないようにしてます。
それがいいと思います。
”Barber" は普通の英語だと思いますよ。あるいは ”barber shop" とか。
”Flesh juice” は、やっぱりヤバいですよね。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2007/10/post_c3dc.html
口で言う分には「ああ、日本語訛りだからな」と思ってもらえるでしょうが、字で書かれると日本人でも「うっ!」ですね。
投稿: tak | 2023年5月30日 08:47