「インフルエンザに効く水」が 2ℓ で 1万円だそうな
「"インフルエンザに効く水" 販売 4人逮捕 4億円超の売り上げか」というニュースには、「前世紀的な犯罪だな」と感じてしまった。本当にその昔は、こんなようなアヤシげなものを売って稼ぐヤツが結構いたものだが、今でも騙される人は騙されるのだね。
ニュースによればこの商品はウェブ上で「インフルエンザウイルスを 1分で 99.99%以上不活性化させます」なんて言葉で訴求されていたという。冷静に考えれば、飲んだ水が吸収されるために腸に達するだけでも 1分程度では難しそうだし、ましてや体中のウィルスに働きかけるのはちょっと無理だ。
そんなものが 2ℓ で 1万円の値が付いて、5年間で 4億 3000万円余りが売り上げられていたというのだから、単純に考えて 4万 3000人もの人が信じて買っちゃったわけだ。末期癌とかで「藁にもすがる」みたいなわけでもなく、インフルエンザでこれなんだから、日本は平和だよね。
ことは「ニセ薬」ばかりではない。例えば YouTube を検索して視聴しようとすると、冒頭に「1日 3分で英語がペラペラに」みたいな余計な宣伝が流れることが多い。こんなのを単純に信じて高い教材を買う連中がいないわけじゃいから、いつまでもなくならないのだろう。
考えてもみるがいい。英語のネイティブ・スピーカーは、英語圏に生まれて 1日中英語に囲まれて育ったから「ペラペラ」になったのである。それは英語に限らず日本語だって同じだ。
「米国で生まれ育ったフツーの米国人が、この教材を使えば 1日 3分で日本語がペラペラになれます!」なんて言われたら「あり得ないよ!」とすぐにわかる。ところが、ことが英語になると途端にあっさり騙される。
もしかしたら「1日 3分」を欠かさず 30年ぐらい続けたらそうなるという意味なのかもしれないが、そんなのは反則だろう。日本人にとっては、英語の 3分というのは、ニセ薬の 1分と同じくらいの「ファンタジー」なのだね。
いつの世でも、「気をつけよう、甘い言葉と暗い道」である。
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コメント
ネットを閲覧してると、
”私に任せればごく短期間に英語がネイティヴ並みになります。〇〇さんはそれで外資系の会社の副社長に採用されました”
なんてばかげた動画が後を絶ちませんね。ええ加減にせいと思います。
一万人に一人がその気になってお金を払ってしまえば充分ビジネスになるんでしょうね。
ところでスピードラーニングを最近聞かないので調べたら2021年8月に事業終了してましたね。宣伝に石川遼氏や米倉涼子氏を採用したこと、TVへの放送料など莫大な営業経費がかかったことが原因と思われます。
ネット広告だと興味のある人だけに集中的に広告動画を見てもらえるシステムなので効率がよく営業ができるんでしょう。
だからネット上では英会話の過激な広告がなくならない。
スピードラーニングでは石川遼氏が登場してる時点で怪しさいっぱいでしたね。アメリカでゴルフやってれば英語力が上達するのは当たり前ですから。
投稿: ハマッコー | 2023年6月10日 03:26
ハマッコー さん:
スピードラーニングは事業終了していたようですね。無理もない。
ただ、本の読み上げサービスで復活というニュースもあります。
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/teppan/1403883.html
「本ぐらい、自分で読め!」と言いたいところですが ^^;)
投稿: tak | 2023年6月10日 12:45