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2023年7月11日

「すご査収」って、どんな念入りな査収かと思ったよ

スーパーで息子がお盆の仏前に供えるお菓子を買いたがり、掴んで放さないので仕方なく買ってしまったという tweet がある(参照)。ただ、その中の言い回しが最近のスラングなのかなんて思い、つい「すご査収」でググったりなんかしちゃったよ。

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原文は「泣く泣く購入したお菓子ですご査収ください」なのだが、私は当初、これを「・・・お菓子で、すご査収ください」と読んでしまったのだよね。「スゴく念入りな査収」を求められてるなんて思い、実はそのココロが「・・・お菓子です。ご査収ください」なのだとわかるまで、少なくとも 1分以上かかった。

近頃の人たちって、句読点を省いて文章を書く傾向があるらしい。そう言えば、だいぶ前の日経XTECH の記事で "LINEで句読点を打たない若者たち、実は知られざる「合理的」理由があった" というのを読んだのを思い出した。下はその記事に添えられた画像である。

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要するに、最近の若者は LINE でやり取りするときに「読点(、)を打つ代わりに送信ボタンを押し、句点(。)は省略する」傾向があり、これを「打ち言葉」と言うんだそうだ。なるほど、画像のような感じだと、読点がなくてもごっちゃになることはない。その代わり、縦にずらずら〜っと長くなるが。

というわけで、LINE のやりとりなら句読点なしでも通じるが、tweet の中ではやっぱり使ってもらわないと、おじさんは戸惑ってしまうのだよ。

それから、このお菓子を購入するに当たって、「これも教育だな」と割り切ったということだが、どんな意味での「教育」なんだか理解できないのも、おじさんの哀しさなんだろうか。もしかしたら、「食ってみれば決してうまいもんじゃないと、身を以て体験させる」って意味での教育なのかなあ。

ちなみに、上の LINE 画像の下から 4番目、「草」というのは、笑い声を表す「www」が「草」が生えているように見えるというので、一時代前の「(笑)」に代わるものになっているらしい。

私の若かった頃は口語で「くさ!」と言ったら「クサい!」ということだった。と言っても決して物理的な臭気じゃなく、「それっぽさを狙いすぎて浮いちゃってる」みたいなニュアンスだった。それが今では事情が違っちゃってるのだね。いやはや、気を付けねば。

最後に付け加えておくが、「ご査収ください」という言葉は、受け取る手紙やメールでは時々見かけるが、自分では一度も使ったことのない言い回しである。私が使うのはせいぜい「ご確認ください」ぐらいだなあ。

もしかしたら、最近のビジネスメールって、かなり堅苦しい方向に振れちゃってるんだろうか。

 

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コメント

私の友人からくるメールの文頭には“○○さん御侍史、文末には△△拝、とあります。こんなにばか丁寧である必要はないのですが、製薬会社に定年まで勤めたので医者とのやり取りの習慣が抜けないようです。

ところで、句読点のない文章と言えば野坂昭如さんですね。ほんと読みにくかった。

投稿: ハマッコー | 2023年7月12日 00:01

ハマッコー さん:

へえ、医者とのやり取りって、バカ丁寧なんですね。なるほど、想像が付きます。

>句読点のない文章と言えば野坂昭如さんですね。

まあ、さすがに読点はありましたが、読点と読点との間が長い!

あれはあれで、「味」というものなんでしょうけどね。

投稿: tak | 2023年7月12日 11:16

むか~し、コンピューターサーバなんて代物は本社の「計数部」にしかなく、支店は端末からインプット送信、総合データは翌日航空便で送って来るので、リアルタイムのデータなんて全部手書き・手計算で行っていた時代、「ご査収下さい。」の文言を使った文書、嫌になるくらい書きました。「○○の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。この度〇〇をご送付致しましたので、ご確認の上、ご査収下さい。」テンプレですので、書く方も読む方もこの部分はスルーして、中身だけの確認です。

という訳で、「ご査収下さい」というのは相手が会社など組織に対してか、個人であっても非常に格上か親近性の薄い人に対してしか使わない表現だと理解していました。なので、心ならずも仏前専用の落雁を買った方はどなたに「ご査収下さい」と言っているのかな?と気になっています。

投稿: K.N | 2023年7月13日 14:32

K.N さん:

>「ご査収下さい」というのは相手が会社など組織に対してか、個人であっても非常に格上か親近性の薄い人に対してしか使わない表現だと理解していました。

うわ! てことは、私に対して「ご査収ください」なんて文言を入れて送ってくる人って、私を必要以上に持ち上げてるってことですね ^^;)

居心地悪くなっちゃいそう。

投稿: tak | 2023年7月13日 16:13

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