「袋とじ」の意味が時代とともに変わったらしい
えな鳥 さんという方の tweet(参照)がきっかけで、最近は「袋とじ」というものの意味が違ってきていると知り、愕然としてしまった。私としても「袋とじ」と言ったら、下の写真の「和綴じ」のようにしてしまうだろう。
えごん さんの tweet(あれ、今は tweet じゃなくて何て言うんだっけ? まあ、とりあえずいいか)はこんな感じ。
「契約書を全部袋とじにしといて」って言われたので国文学科で数々の袋とじ和書を見てきたワイは全部画像みたいにとじて持って行ったんだけど、ビジネス用語の「袋とじ」はなんか全然意味が違うらしくて上司がキャーって悲鳴あげてて面白い
今のビジネス文書の世界で「袋とじ」と言ったら、バックオフィス進化論というサイトによればこんな風になるらしい(参照)。各ページは真ん中から二つ折りなんてことはせずにそのままホッチキスで綴じ、出来上がりの左端を別に作った背表紙で覆う。
左端の背表紙部分が見ようによっては「袋」に見えるので、こう呼ばれるらしい。昨日話題にした「前向き駐車」といい、「世間の常識」と言われることでも知らないことって結構多いものである。
件の tweet では「国文学科で数々の袋とじ和書を見てきたワイは・・・」とあるが、和書を見てきたキャリアでは学生時代に「歌舞伎」なんてものを研究していた私も引けを取らない。ちなみに江戸時代の和書というのは下のようなウニャウニャとした草書と変体仮名なので、英語を読む方がずっと楽だった。
そして提出した修士論文も、当然ながら「和綴じ」である。棚の奥を引っかき回したら、古色蒼然としたカバー付き和綴じの論文が出てきた。ちなみにこのくらい分厚くなってしまうと、フツーのホッチキスで綴じることなんてできない。
中身は 400字詰め原稿用紙の手書きの 2つ折りである。今どきは手書きで卒論や修士論文なんて提出する学生はいないだろうが、当時はワープロというものが世に出たばかりの頃で、日本初のワープロ、東芝の JW-10 は 630万円もしていた(参照)のだから、別世界の話だった。
いやはや、本当に時代は変わったものである。
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コメント
大衆雑誌の「袋とじ」ってのもございますねぇ。
病院の待合にある上記雑誌などの「主に着衣の少ないかない等の女性のお姿」が袋とじになっていて、常連のオジイサマによって開封されると言う事件が多発している、と、ラジオsaid。
しかも、キレイに開けてあればまだしも、指で強引に破くので、袋とじ内容の見た目の価値が低下すると言う残念な付帯条項…。😔
投稿: 乙痴庵 | 2023年8月19日 02:51
乙痴庵 さん:
ははぁ、昔はよくありましたねえ (^o^)
今はないでしょうね。
投稿: tak | 2023年8月19日 10:09