「ひやむぎ」と「そうめん」と、「気分の問題」
Livedoor News に【ひやむぎの「ピンク麺」「緑麺」 “手作業”で混ぜる理由は? 「揖保乃糸」販売元に聞いてみた】という、ちょっとだけ興味深い記事がある。結論は要するに、"「色付きの麺が入っているのはひやむぎですよ」と、お客さまに提示するため" なんだそうだ。
私としても昔から、「色付き麺が入ってたらそれはひやむぎ」と思ってきたので、間違いはなかったわけだ。しかしそれはそれとして、さらなる疑問が残る。「ひやむぎから色付き麺を取り除いたら、とりもなおさずそうめんになっちゃうの?」ってことだ。
試しに「ひやむぎ そうめん 違い」でググって見ると、結構多くのページがヒットした。どれも同じような説明なので、いろいろくどくど書いてあることを要約すると、こんな具合になる。
- 機械製麺の場合は JAS(日本農林規格)規格に沿い、太さがそうめんは直径 1.3mm未満で、ひやむぎは 1.3mm〜1.7mm未満。ひやむぎの方がやや太いが、その差はせいぜい 1mm の半分以下で、要するに両方とも「いわゆるうどんより、ずっと細い」ってだけのこと。
- 機械を使わない手延べ製法の場合は、直径 1.7mm未満まで引き延ばせば「手延べそうめん」と「手延べひやむぎ」のどちらでも表示できる。つまり、本質的な違いなんてない。
- そうめんは生地を細く引き伸ばして作るが、ひやむぎは薄く延ばした生地を細く切って作るという「建て前」があるらしい。つまり「伸ばす」か「切る」かの違い。
- 原料は同じ小麦粉、水、塩だが、そうめんはそれに少量の油が加わる。ただし最近ではひやむぎにも油が加えられることがあるらしいので、違いがあるようでないようで、さっぱりわからん。
上の 3番目で触れた「生地を引き伸ばしたのがそうめんで、切ったのがひやむぎ」という「建て前」も実はアヤシい。我が家の買い置きの「そうめん」の断面をよく見ると四角っぽく、触った感触もカクカクしているので、引き延ばした生地を細く切ったとしか思われない。かなりいい加減な建て前みたいなのだ。
というわけで、いずれにしてもこれまで通り「色付き麺が入ってたらひやむぎ」と思ってさえいればいいようなのだね。これもまた、日本人の得意とする「気分の問題」でしかないようなので、そのあたりどうぞ
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コメント
「色付き麺が入ってたらひやむぎ」だと五色そうめんの立場が無くなるので、現在はJASが線引きかな?と思います。
まぁそうすると今度は半田そうめんは素麺なのか?という疑問が出てはきますが。(ちゃんと調べていないので太いけど基準内かも)
投稿: automo | 2023年8月21日 08:27
automo さん:
恥ずかしながら、「五色そうめん」というのを知りませんでした。Atok も「ごしょくそうめん」で変換すると、最初は「誤植そうめん」になりました ^^;) もしかしたら「ごしきそうめん」なんでしょうかね。
検索してみると、なるほど、みごとなものですね。
https://goshiki-soumen.co.jp/product/#posi02
引き出しが一つ増えました。ありがとうございます。松山に行く機会があったら、是非食してみたいです。
半田そうめんに関しては、手延べそうめんということで許容範囲が広いのかも。
投稿: tak | 2023年8月21日 13:12
自己レス、失礼。
Twitter に「五色そうめん株式会社@goshikisomen」というアカウントを発見しましたので、「ごしきそうめん」のようですね。
思わぬところで勉強になりました。
投稿: tak | 2023年8月21日 13:17