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2023年9月26日

岸田首相のアドバンテージは「顔」というより・・・

自民党の麻生副総裁が福岡市における講演で岸田総理について「誠実そうに、リベラルそうに見える顔が世のなかに受けている」と述べて評価したと、テレ朝ニュースが伝えている(参照)。「顔」で受けているというのは、ずいぶん無茶な言い草だが、あるいはほんの少しだけ言えてるかもしれない。

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というのは「そりゃ、あんたの顔じゃどうしたってウケないもんね」ということで、確かに岸田総理の外見には政治家的な「毒」がないので、妙に揶揄されることがない。ただ、私としては岸田総理のアドバンテージは他のところにあると思っている。

それは「自分が何を言っているのかわかってモノを言っている」ということだ。こんなのは当たり前すぎて「アドバンテージ」というのもおこがましいほどだが、最近の首相経験者の中では珍しいほど、この「当たり前すぎること」ができているのである。

まず行きがかり上、当の麻生さんについて言えば、衆院選に初出馬した際に地元の飯塚駅前での演説で、開口一番「下々の皆さん!」と呼びかけちゃったという伝説化された本当の話がある(参照)。この人の失言はほかにもいろいろありすぎて、枚挙にいとまがない。森喜朗と双璧だ。

以後、民主党政権となったが、鳩山さんの「世襲が日本の政治をゆがめてきた。世襲の私が言うのだから間違いない」という発言には笑ってしまった(参照)。そんなこんなで、ワシントン・ポストに「ルーピー(Loopy: お間抜け)」の名を頂戴してしまったわけだが。

次の菅さん(カン直人さんの方)は「政治の理想は最小不幸社会を作ること」なんて、政治家センスに欠けたことをおっしゃっている(参照)。当人はわかっているつもりのようなのだが、世間には通じないか、あるいは逆アピールに受け取られかねないから、どう見ても別の言い方をする方がよかったよね。

後を継いだ野田さんは割とそっち方面の話題が少ないが、国会答弁で「(喫煙は)18からずっとやめたことがなく・・・」と言ってしまい、慌てて取って付けたように「二十歳から」と言い直している(参照)。まあ、ご愛敬と言ってもいい部類ではあるが、せっかくだからタバコは止めた方がいいね。

自民党政権に戻って最初の安倍さんは、内閣総理大臣の自分を「立法府の長」と言ったり(「行政府」と区別できてない)、「云々」を「でんでん」と読んだりで、モロに次元が低過ぎだ。その辺りのことは 4年前に ”安倍さんの「勘違い言葉」に学ぶ” という記事で縷々書いているのでよろしく。

その次の菅さん(スガ義偉さんの方)に至っては、聞く人はもちろんだが、自分でも何を言ってるんだかわかっていなかった(参照)。広島の平和記念式典でスピーチ原稿を読み飛ばしても気付かず参照)、次の長崎では間違えずに読んだだけで褒められた(参照)という、前代未聞の首相だった。

こうして思い返してみると、民主党(現在の立憲民主党)政権時代の鳩山、菅、野田の 3人は、まだそれほどお馬鹿すぎる失言というのはない。それに対して自民党の麻生、安倍、菅の 3人の「言葉知らず」レベルは中学生以下と言っていいよね。

というわけで岸田さん、前の 6人よりずっとマシで、とくに自民党の 3人と比べたら雲泥の差だ。ただそれは「自分で何を言ってるかわかってる」という当たり前すぎることの話であって、その内容についての評価はまったく別の問題なのだが。

 

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