ヨガの瞑想を「集団殺人」と思い込んでしまい・・・
AFP BB News の "「集団殺害」の通報…実はヨガ教室 英" というニュースに笑わせてもらった。何人もの人が床に脱力状態で横たわりじっと動かないという場面を見たら、西洋人は直感的に「死んでる」と思ってしまいがちなのだろうね。
元ネタは AFP(フランス通信社)の記事のようだが、私はフランス語は全然ダメだし、そもそも英国の話なので英語の記事を検索したところ、あちらでは結構な話題のようで多くの記事が見つかった。ここではとりあえず The Gardian の記事に沿うことにする。
要するに、集団で横たわって瞑想しているヨガのクラスをガラス越しに見た公共メンバーの一人がてっきり「集団殺人」事件と勘違いして通報したため、警察が駆けつけたという話である。警察は、この通報を ”good intentions" (善意)によるものだとしていて、まあ、善意じゃ仕方ないよね。
動的なエクササイズは見慣れていても、静的な瞑想なんてことに馴染んでいない西洋人には、複数の人間が横たわったままじっと動かないという光景が、非日常的どころかとてつもなく異常な印象を与えてしまったのだろう。文明の違いというのは、結構な勘違いにつながる。
ちなみに冒頭で紹介した AFP BB News の記事は、このヨガ・クラスの会場を「シーサイドカフェ(The Seaside Cafe)」と伝えているが、これは誤りで、正しくは「シースケイプカフェ(Seascape Cafe)」。
この Seascape Cafe は事件の翌日、Facebook に「夕べけたたましいサイレンを聞いた方は、どうぞご安心ください」と写真付きで投稿し、ことの顛末をユーモア交じりに説明している(参照:初めに表示される日本語は下手すぎる自動翻訳なので、オリジナルのデキストを表示させるのがオススメ)。
ちなみに、文中の "We are not part of any mad cult or crazy clubs" (我々は狂ったカルトやクレイジーなクラブの構成員ではありません)というのが泣かせてくれる。英国でもカルトは問題なのだね。
このカフェは ”Seascape Cafe” の名の通り美しい北海に面する天文台の建物内にあるということで、とてもいいメディテーションができそうな環境だ。結果的にこの「事件」は、むしろ効果的な宣伝になったかもしれない。
最後にちょっとだけおちょくっておくが、AFP が「シーサイドカフェ(The Seaside Cafe)」と伝えてしまったのは、狂信的な集団自殺をも思わせる勘違いが発端だけに "Suicide cafe" (自殺カフェ)という連想に引きずられたのかもしれないね。気持ちはわかるし、私もやっちまいそうだ。
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