最近の人はアコースティック・ギターを弾かないのだね
島村楽器が 2023年度上半期の「売れた楽器ランキング TOP 10」というのを発表している(参照)。「コロナの規制緩和によりバンド系、管楽器系楽器が好調」なのだそうだ。
発表された BEST 10 は以下の通り。
1位がホルンというのは意外だが、これはコロナ禍が収まって学校行事が復活し、吹奏楽の演奏機会が増えていることによるのだそうだ。前々からの管楽器は、4〜5年間放っておかれておシャカになってしまったんだろうか。
ただこの順位は販売数量によるものではなく、前年比(数量ベースか金額ベースかも不明)を基準にしているようで、その意味では結構紛らわしいデータである。数量ベースで捉えれば、ギターの方が多いのかもしれない。
さらに以外なのは、エレキギターとエレキベースが 3位と 4位に入りながらアコースティック・ギターが圏外ということである。最近の若い子はアコースティック・ギターで弾き語りなんてしないもののようなのだ。
売れるのはエレキギターとエレキベースというのだから、「バンド系」である。「マルチエフェクター」とか「コンパクトエフェクター」とかで音をコントロールしながらギンギンに演奏するのがフツーになっているのだね。
ちょっとググってみたところ、ne+e というサイトの ”ズバリ質問 !「ギター」弾けますか?” というページに、質問への回答が「弾ける 6.5%、少し弾ける 16%、弾けない 77.5%」だったとある。つまり 4人に 3人以上はギターを弾けないということだ。
そして「弾けると回答した人の世代別割合」というのがさらに興味深い。「10代 16.7%、20代 1.9%、30代 7.0%、40代 2.9%、50代 9.4%、60代以上 18.5%」で、10代と 60代以上が際立って高く、あとは 1ケタ台でしかない。20代なんて、100人のうち弾ける人が 2人いないってことだ。
60代以上で弾ける人の割合が 18.5% となっているが、私の年代の「70代前半」に絞り込めば多分 20%を越えるだろう。ギターは「多少は弾けて当たり前」みたいな楽器で、弾き語りができるぐらいは珍しくも何ともなかった。
ところが今やギターって、「弾く楽器」じゃなくて「聞く楽器」になってしまったのだね。「残念」と言う以上に「情けない」気がしてしまう。
10代の 16.8% が弾けるというのが救いだが、それにしてもエレクトリック・ギターが主体なのだろう。アコースティックなんて触ったこともないかもしれない。
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