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2023年10月 8日

「大阪万博」を巡る冒険

菅前首相が東京MXテレビの討論番組「田村淳の訊きたい放題」とやらに出演し、2025年大阪・関西万博は「国を挙げて取り組むべき」とし、膨らむ建設費に関しては「誠実に説明を」と発言したのだそうだ(参照)。どうみても上滑りな話である。

231008

そもそもこの大阪万博開催の決定したのは 2018年の話で、当時の菅氏は第四次安倍内閣の官房長官だった。そりゃ、「大阪万博は国民の関心も薄いし、まあテキトーに・・・」とは言えないよね。

ちなみに、開催決定時の日本経済新聞の記事の見出しは「2025年 大阪万博が決定、55年ぶり」というものだった。「55年ぶり」の意味は、記事では「大阪では 1970年以来 55年ぶりの開催」ということになっている。

ここで確認しておくが、これは 2005年に開かれた「愛知万博」からだと 20年ぶりで、さらにこの前には 「沖縄海洋博」(1975〜76年)、「つくば万博」(1985年)「花と緑の万博」(1990年)なんてのもあった。で、1990年の「花と緑の万博」の開催地は、ほかでもない大阪だった。

このイベントは Wikipedia によれば「博覧会国際事務局(BIE)認定の国際博覧会」だったのであり(参照)、さらに Wikipedia の BIE の項目によれば「博覧会国際事務局によって承認された博覧会のみが、国際法上「国際博覧会(万博)」を名乗ることができる」とある(参照)。

ということは、「大阪では 1970年以来 55年ぶり」というのは、立派な(?)「誤報」である。要するに関係者やマスコミでさえ 1990年の万博なんていわゆる「特別博」とはいえ、意識から消えてしまっていたようなのだ。この分だと 2年後の万博だって、何年も経たないうちに忘れられるだろう。

その程度のイベントの会場建設費の問題に関して、記事は次のように伝える。

会場建設費は 18年の誘致決定時は 1250億円だったが 20年に 1850億円へ増額された。政府関係者によると、資材価格や人件費の高騰などで再度の増額は避けられず、最大で総額 2350億円にまで膨らむ可能性があるという。

インフレというわけでもないのに 7年で 2倍近くにまで膨らんでしまうというのは、民間企業主催のイベントでは考えられない。そして記事は次のように続く。

タレントで司会の田村氏に「増額についての説明は尽くされているのか」と問われ、「ようやく動きだしたところ。誠実に取り組んでほしい」などと回答。

これ、ちっとも「回答」になってないよね。菅氏の口から出る言葉なんていつもこんなようなもので、受け取る方が勝手に「ソンタク」するだけである。ただ今回の場合、「ようやく動きだしたところ」なんて言うのはいくら何でも寝ぼけ過ぎだし、そんな話に誰が「誠実」に取り組むというのだ。

個人的には「つくば万博」は近所だったので、子供たちの遊園地代わり(実際、その程度の印象だった)に連れて行った覚えがあるが、他はまったく行っていない。今度のも、行こうなんて発想すらない。

 

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コメント

横浜の瀬谷区に米軍から返還された広大な土地があります。
https://www.moneypost.jp/688144

ここに「花と緑の国際博覧会」をやってその後、ディズニーランドクラスのテーマパークをやるというのです。
国民はもう博覧会疲れしているし失敗に終わるでしょう。

ディズニーランドクラスのテーマパークなんて誰が運営するというのでしょう。
横浜からTDLまでバスでたったの一時間、TDLのブランドにも歯が立ちません。
絵にかいた餅程度の話ということは誰もが認識しているようで計画は1ミリも進んでいません。
関西万博の二の舞にならないことを祈るばかりです。
裏で建設業者が囁いてるのかも知れません。

投稿: ハマッコー | 2023年10月 9日 15:44

ハマッコー さん:

リンク先の記事、読ませていただきました。そんな計画があったなんて初耳でした。

>国民はもう博覧会疲れしているし失敗に終わるでしょう。

はっきり言って、リアルの展示会よりネットの方が情報量ありますからね。そんな不便なところに来る人なんていないでしょう。

進めたいのは、建設業者ばかりでしょうね。

投稿: tak | 2023年10月 9日 16:05

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