ハロウィーンの「異教性」を巡る冒険
渋谷での大騒ぎが問題になっている「ハロウィーン」だが、チェコでは子供たちが作ったカボチャのランタンをキリスト教の神父が破壊し、謝罪に至ったという。どうやらこの行事の「異教性」が問題であるらしい。
クルデヨフ村の公園に並べてあったカボチャのランタンを踏みつぶしたのは、カトリック教会「洗礼者ヨハネ教会」で司祭を務めるヤロミル・スメイカル神父という人だという。彼は村のフェイスブックページに謝罪文を公開したが、記事によれば次のように自身の主張も交えているらしい。
「自分の信仰と、神父として、そして私に託された子供たちの保護者としての義務に従い、これらのシンボルを取り除いた」と述べた。
また、現代のハロウィーンの伝統については、カトリックの万霊節に対抗するものであり、「異教の現代世界」で考案されたものだと、自身の見解を示した。
ハロウィーンは公式なキリスト教の公式な祝日である「万聖節(All Hallows' Day)」の前夜祭と位置付けられるという説もあるが、そもそもの起こりとしてはもっとフォークロアリスティックなイベントから来ているらしい。Wikipediaは、ケルト人の祝祭が発生だったとしている(参照)。
それだけにキリスト教でも解釈がいろいろあって、「異教的なもの」として退けられることもある。今回のニュースの主役、チェコのスメイカル神父はそうした中でもとくに強硬な存在みたいなのだ。2日間にわたってカボチャを踏みつぶしてたというのだから、「強硬 + マメ」でもある。
そんなような複雑な事情もあって日本での定着の仕方もクリスマスほど単純にはいかず、いろいろと試行錯誤している。私はそれに関して、次のような記事を書いている。
ハロウィーンのバカ騒ぎと 1970年頃までのクリスマス(2018/10/29)
ハロウィーンの馬鹿騒ぎが「カッコ悪過ぎ!」になる日(2022/9/14)
いずれにしても「ハロウィーンのこなし方」はチェコ辺りでも混乱するぐらいなのだから、東洋の島国日本でなかなかすっきりすることがなくゴタゴタするのは、当たり前と言っていいのだろう。
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コメント
ごめんなさい。
スルメイカ神父と読んでしまいました。
ごめんなさい。
投稿: 乙痴庵 | 2023年10月28日 01:52
乙痴庵 さん:
実は私も・・・ (^o^)
投稿: tak | 2023年10月29日 11:19