「チャーハン症候群」というのがあるらしい
集英社オンラインに ”【5日前のパスタを食べた20歳の学生が死亡】電子レンジの再加熱での殺菌効果も期待できない「チャーハン症候群」の恐怖” という記事があるので、「5日前のパスタなんか食べるヤツがいるのか?」と思って読んでみたら米国の話だった。いやはや、本当に「何でもあり」の国だね。
「チャーハン症候群」は米国では ”fried rice syndrome” と呼ばれ、話題になったきっかけは iHeart の "20-Year-Old Dies Of 'Fried Rice Syndrome' After Eating Leftover Pasta"(放置されたパスタを食べた後に「チャーハン症候群」で 20歳が死亡: 9月 20日付)という記事らしい。
ふむふむ、米国の元記事に添えられた写真はいかにも毒々しくて、確かに当たって死んでも不思議なさそうに見える。一方、日本語記事の写真は、記事内容にそぐわないほどおいしそうな出来たてとしか思えないよね。
この「チャーハン症候群」というのは「セレウス菌」という菌によって引き起こされるという。我が国でもこの菌による食中毒は報告されており、主にチャーハンやピラフ、焼きそば、スパゲッティなどの米飯・麺類の調理食品がアブナいようだ。
症状としては我が国では嘔吐が多く報告されているが、NIID 国立感染症研究所の「セレウス菌感染症とは」という文書では、いずれも軽症だったとされている。ただこの菌は耐熱性(90℃60 分の加熱に抵抗性)の芽胞を形成し、芽胞状態になると加熱やアルコール消毒でも殺菌しづらいという。
それだけに「タチの悪い菌」と言えるわけで、次のような注意が必要とされている。
- 一度に大量の米飯やめん類を調理し、作り置きしないこと。
- 穀類等が原料の食品は、調理後保温庫で保温するか、小分けして速やかに低温保存(8℃以下)すること。
最近は暖房によって室温が高くなる傾向があるので、冬だからと言って安心はできないということだ。まあ、5日前のパスタを食べるなんて常識を遙かに超えた食い方をするんでもない限り死んだりはしないだろうが、注意に越したことはない。
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コメント
セレウス菌というのは先日の青森の弁当の米飯からも検出されています。温度など条件が整えばもっと短時間でも危険性が出るほど増殖してしまうということですね。
投稿: らむね | 2023年11月18日 23:04
https://president.jp/articles/-/75924
ちょうど本邦でも類似した事例が話題になったところで、タイムリーな記事ですね。
投稿: 柘榴 | 2023年11月19日 01:41
らむね さん:
そういえば、そんなニュースがありましたね。あれもセレウス菌が原因で、ご飯を炒めなくても発生するリスクがあるんですね。"Fried rice syndrome" とか「チャーハン症候群」という名称は、もはやそぐわなくなっているのかも。
セレウス菌にとっては、昨今の温暖化はありがたいことなのかもしれませんね。
投稿: tak | 2023年11月19日 07:52
柘榴 さん:
ご紹介の記事は見逃してました。
よく考えれば想像が付くこととはいえ、実際にはこれまで知らなかったことばかりでしたので、勉強になりました。
ありがとうございました。
投稿: tak | 2023年11月19日 07:55
カレーでの食中毒ではウェルシュ菌が有名ですが、セレウス菌の時もあるそうです。
https://www.niph.go.jp/h-crisis/archives/83322/
そういえば 昔は カレーは一晩おいた方がウマいなんて言ってましたね。(平気で常温保存していた覚えがあります)
投稿: Sam.Y | 2023年11月19日 17:46
Sam.Y さん:
へえ、カレーライスでも食中毒があるんですねぇ!
これって、セレウス菌はカレー・ルーに生じたのか、それともライスの方に生じたのか、きちんと突き止めなければならない気がしますが、ご紹介のリンク先では、そのあたりが曖昧ですね ^^;)
投稿: tak | 2023年11月19日 18:55