ウィーンのユニークなデザインの噴水
AFP BB News に "2.9億円が「醜い」噴水に批判殺到 ウィーン" という記事がある。オーストリアの首都ウィーンでお披露目された、近代的水道設立から 150年を記念する噴水が、「醜い」上に制作費が高額だとして激しい批判を呼んでいるというのだ。
記事には次のようにある。
水盤の周りに人のような形をした彫像 33体が輪になって座っているデザインを手掛けたのは、挑発的な作風で知られるウィーンを拠点に活動するアーティスト集団「ジェラティン(Gelitin)」。審査によって選ばれた。彫像は大切な資源である「水に対する地域社会の責任」を象徴している。
ちなみに左派社民党所属のミヒャエル・ルートビヒ(Michael Ludwig)氏が市長を務めるウィーン市の発注したこの噴水を、最も激しく批判しているのは右派自由党だという。その意味では、政治対立的なファクターもありそうだ。
「ジェラティン」というのは挑発的なパフォーマンスや作風によって知られている(参照)のだから、決して「まともな」ものにはなりようがないというのは発注時点からわかっていたはずだ。ましてや「審査によって選ばれた」というわけで、無闇にぶち壊すわけにもいかないだろう。
「像の一部がミシュランマンのようだとけなす声もある」というので、添えられた写真を辿ってみたら、それらしいのが見つかった。多分この写真の 右から 2番目のことを言ってるのだろう。4番目もそれらしいし、見ようによってはなかなか愛嬌がある。
ちなみに私個人の感覚で言ったら、この噴水はそれほど口を極めて非難するようなものとも思われない。どうでもいいフツーのデザインに比べたらなかなかユニークな作品で、3億円近い金をかけた意味はあると思う。そのうち「ウィーン名物」としてしっかり認知されるだろう。
これがどうしても気に入らないという人たちは、目を背けて見ないようにして歩けばいいだけのことだ。
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コメント
審査によって選ばれたアーティストによる。
このプロセスがあるかないかで、存在意義に重みがあります。
どっかの市長だか県知事だかの思いつき「自治体事業」を国策化に漕ぎつけつつ、そのあとの「あいあぁる」につなげようとする市井無視のアクロバット的な方策よりも、ずっと健全。
外野が気を揉むな!って話とも言ってられん事態。
投稿: 乙痴庵 | 2023年11月15日 21:59
乙痴庵 さん:
IR なんちゃらって、確かに「余計なお世話」としか思えませんね ^^;)
投稿: tak | 2023年11月16日 15:20