岸田内閣の支持率低下を巡る冒険
岸田内閣支持率が急落してるんだそうで、TBS NEWS DIG も ”「今は何をやっても裏目」内閣支持率 10ポイント以上急落の衝撃” と伝えている。今年前半の「無双」とまで言われた(参照)状態と比べると、どえらい違いだ。
岸田首相は前任者の菅さんあたりと比べると、しゃべってる内容がちゃんとわかるというだけでも大きなアドバンテージだし、外国に出てもそれなりに恥ずかしくなく振る舞える。直接的にはこれといった大失点がないのに支持率だけはどんどん下がるというのは、「不思議な現象」と言えないこともない。
とくに「減税」を打ち出した直後に支持率が下がるというのは、前代未聞だ。ジャーナリズムはその要因を「将来的に防衛費や少子化対策で国民負担が増える」とか「住民税非課税世帯への現金給付など、減税と給付の混在」とかもっともらしいことを言っているが、決定的な説明には至らない。
そんな風に思っていた矢先、「駅前糸脈」というブログの記事を読んで「なぁるほどね」と膝を打った。最近の副大臣や政務官の不祥事に関連して、次のように書かれている(参照)。
議員どころか社会人としての資格も疑われる人物を揃えて、内閣改造は変化を力にするためだというのは、自らの能力不足と人を見る目が皆無なことを示している、すなわち首相の任に耐えない。
要するにこの人、首相という地位にふさわしいほどの「人を見る目」を持っていないのだね。それと関連して、親身に尽くしてくれるお友達というか脇役というか、そんなような存在もいないし、ましてや庇ってくれたり代わって泥を被ってくれたりするような側近なんて、全然見当たらない。
喩えて言えば、仕事はできないわけじゃないが、人脈と営業力に欠けるフリーランスみたいな感じである。自民党みたいな組織の中では、高得点を稼げるタイプじゃない。そんなような存在がなまじ「減税」を打ち出しても「選挙に向けた人気取り」なんて見透かされる。
さらに世間的には、こんなタイプに対しては悪口を言いやすいって大衆心理まであるようなのだね。突然ブチ切れたりされる心配もなさそうだから、コワくもなんともない。
考えようによっては気の毒なことに、「さしあたって代わりもいない」ということで、早々に首相の座を降ろされるほどの事態でもないようだ。これって、「岸田内閣の危機」というより「自民党の危機」と見る方がいいのかもしれない。
そろそろ地味にさりげなく「耐用年数」が切れてもいい頃だし。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- やっぱり正統的呼称は「メキシコ湾」のようなのだ(2025.02.03)
- トランプ、実は「老人ボケ」が出てるんじゃないの?(2025.02.02)
- 選挙とインターネットの関わりというもの(2025.01.29)
- トランプ 3選なんてことを言い出す「バカ男」がいた(2025.01.25)
- 4年間の長いレイムダックをやり過ごす用意はいいか?(2025.01.22)
コメント
自民党の危機でなく日本の危機だと捉えてます。野党もガタガタで政権を任せられないし、自民党が政権を継続しても総理になって欲しい人も見当たらない。
岸田さんも既に耐用年数は切れてます。といっても‟次”がいないから原発のように耐用年数が延長されてしまいます。
国民にとってなんと不幸なことか。国民が招いた結果でもあります。
投稿: ハマッコー | 2023年11月12日 00:07
ハマッコー さん:
>自民党の危機でなく日本の危機だと捉えてます。野党もガタガタで政権を任せられないし、自民党が政権を継続しても総理になって欲しい人も見当たらない。
この危機を「チャンス」に転化できない野党は、かなり情けないですね。
>国民にとってなんと不幸なことか。国民が招いた結果でもあります。
まさに。
投稿: tak | 2023年11月12日 21:09
この場だから申し上げますが、大臣や役職者選びに「(通称)身体検査」が必要って時点で、さまざまアウトです。
そもそも「候補者」としての資質ってなんなんでしょうね?
子どもの頃にかっぱらいしたとか、学生時代に駐車違反したとか、決して肯定されることではありませんが、なにかその域を越えて「立派な(?)犯罪」している、しかも一部の方はこっかぁぎぃんになってからだそうで、甚だ目を耳を疑うことばかりです。
税金取りの大元が?滞納差し押さえ?
サラリーマンの所得税を滞納する方法を考えたら、ノーベル経済学賞取れますかね。
(すんません。このコメント、当地のラジオ番組に投稿します。ご了承ください。)
投稿: 乙痴庵 | 2023年11月14日 18:45
乙痴庵 さん:
まったくその通り。
ラジオ番組で取り上げられたら、共感の渦が巻き起こることと期待します。
投稿: tak | 2023年11月14日 20:56