「スナック文化」って、実は私もよくわかっていない
AERA の記事に ”過熱する訪日外国人の「スナック人気」にママたちが困惑 「お通しが理解できない」「混んでも席をつめない」" というのがある。「スナック」という日本独特の飲み屋に訪日外国人が興味津々なのだが、そこにある種の「文化摩擦」みらいなものが発生しているらしいのである。
記事中には東京・江東区の門前仲町駅の近くにある「辰巳新道」という横丁で店を構えるスナックのママのコメントが紹介されている。こんなのだ。
「近くにホテルがあるから、宿泊している外国人が多くやって来るけど、基本的には旅行で来た外国人はお断りしています。ウチはお通しが 1500円で 2品くらい出して、それが席料になるんだけど、そういうことを説明しようにも、理解してくれないので、対応できないのよ」
う〜ん、そんなことを言われると、実は日本人の私だってよく理解できない。「お通しが 1500円で 2品くらい」と言っても、何だか客側には選択の自由がないみたいだし、何が何でも受け入れるしかないのだろうか。
はっきり言って「スナック」という形態の店で酒を飲んだことなんて、大昔に 1度か 2度あった気がするぐらいのものだ。それにしたって友人に連れて行かれた先が「スナック」みたいだったというだけで、常連らしいおっさんが下手なカラオケ歌うのを聞かされてシラけまくっていた。
とくに最近は酒をほとんど飲まなくなったので、スナックに限らず飲み屋全般に馴染みがない。そして中でも「スナック」という形態に関してはよく理解できなくて、縁遠いもののような気がしているのである。
冒頭で紹介した記事中には、別の店のママのこんなコメントもある。
「外国人はベジタリアンだ、宗教上の理由でこの肉は食べられない、魚、豆腐を出せとか、いろいろと注文が多い。神経を使うし、そういうのは苦手なの」
ちなみに私も宗教上の理由ってわけじゃないが、最近は肉食を絶っているので、勝手に出される「お通し」って、食べられないものが多そうなのだよね。上で紹介したコメントによれば「それが席料になる」というのだから、そのあたりはどう解釈すればいいんだろう。
出された「お通し」が食えない場合はすぐに引き取ってもらい、純然たる「席料」として金だけ払うってことで許してもらえるんだろうか。そんなことしたら、もしかしたら「雰囲気ぶち壊し」ってことで追い出されるのだろうか。
というわけで、私なんかがスナックに入ったらママが神経を使う以上に、こちらの方で神経使いまくって気疲れしそうなのである。できるだけ遠離っている方がよさそうなのだよね。
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コメント
今日の記事はここに来る前に予め読んでました。
本文中にはスナックはママと常連客が作り上げた文化と紹介されてますが、そういわれたらお通し(関西では突き出しという)の理不尽には反論できないですね。
私の場合は突き出しを突き返してました。最初から席料としていくらと言ってくれればそれで納得するんですが、あんな粗末な料理?を注文もしてないのに突き出してくるなんて褒められたもんじゃないですね。
ただし、スナックではなくて一人一万円以上の和食の店では看板に恥じないしっかりしたお通しが出されるのでそれは美味しくいただきました。
本文中にある他の記事については大いに納得です。
常連客は店が営業存続できるようにそれなりに気を使って金子を落として帰る。C国人にはそういう配慮は期待できないようです。これは文化の違いでなく相手の立場に立てるかどうかですね。
投稿: ハマッコー | 2023年11月 1日 22:36
ハマッコー さん:
>私の場合は突き出しを突き返してました。
ほほう、それでもいいんですね。
>ただし、スナックではなくて一人一万円以上の和食の店では看板に恥じないしっかりしたお通しが出されるのでそれは美味しくいただきました。
そう言えば、和食の店でも最初に何やら出てきますね。それは確かに抵抗なくいただけます。
>常連客は店が営業存続できるようにそれなりに気を使って金子を落として帰る。
要するに、常連客で成り立ってる商売なんですね。なるほど。
>C国人にはそういう配慮は期待できないようです。これは文化の違いでなく相手の立場に立てるかどうかですね。
相手の立場になんか立ってしまったらとんでもないことになるという、三千年歴史に裏付けられた思想がありますから、こればかりは厄介ですよね ^^;)
投稿: tak | 2023年11月 2日 08:26