「陰謀論を信じる人」に関する「面白くない」研究結果
読売新聞オンラインに "「頭の良い人」は陰謀論にハマるか、学術誌に論文が掲載…「面白くない」研究結果は心理学者を奮い立たせた" という記事がある。タイトル的には興味をそそられるが、読んでみると確かに面白くもなんともない。
学生時代は「陰謀論」を信じるヤツというのが周囲にいてうんざりしていたものだが、今もなお健在のようで、このブログでも "ネットのトレンドは 「陰謀論批判」" (2008年 1月 8日)とか "「ワクチン陰謀論」というのがあるらしい"(2021年 6月 20日)なんて記事を書いている。
ちなみに冒頭で紹介した論文を発表したのは、鹿児島大学法文学部の大薗博記准教授(42歳)と昭和女子大学人間社会学部の榊原良太准教授(36歳)という 2人の社会心理学者なのだが、研究の結果わかったのは、「熟慮性が低い人」ほど「陰謀論を信じやすい」ということだったという。
要するに陰謀論にハマらないようにするには、「熟慮」することが大切ということだ。当たり前すぎて、面白くもなんともない研究結果である。
そういえば、3年ちょっと前に東洋経済 ONLINE で、米国のニューヨーク・タイムズの「陰謀論研究」に関する記事が翻訳紹介されたことがあった。"研究で判明「陰謀論を信じる人」に共通する性格 米国人の 3割はコロナは作られたと信じている" というものである。
この記事では、「陰謀論を信じる人」に共通する性格としては、一般的に言われる特性のほかに「サイコティシズム」という思考パターンがあるとされている。統合失調症型パーソナリティ障害の中心的な側面で、「奇妙な信念、および魔術的思考」「妄想的思考」などが特徴的だという。
要するに陰謀論を信じるハマる心理的特性ということに関しては、今のところ「そんなこと改めて言われなくても、フツーにわかってるんだけどね」という程度のことしか明らかになっていないということのようなのだね。
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コメント
陰謀論というか、世の中は様々な策略があり裏があり、実態をうかがいしれないことが多々あります。
先の戦争でも日本国民は現況を知らされず、国家とメディアにひたすらコントロールされました。
現在も財務省の利得拡大のためその指示に従い、国民のためと言いながらひたすら増税に邁進する岸田首相はある意味で私たちにとって陰謀と言える気がします。岸田氏自身は正しいことをやっていると信じているのでしょうけれど。また、東京オリンピックにおける電通と国の一連の行為は、一般国民を欺いた陰謀そのものです。
政府や機関や大きな組織が発信する内容を鵜呑みにすることなく懐疑的な視点を持ち、問題意識を持って自身の考えを表明することは熟慮が必要です。
「熟慮性が低い人」ほど「陰謀論を信じやすい」と結論づけることはかなり乱暴であるかと思います。
京都大学の宮沢孝幸先生や福島雅典先生を「熟慮性が低い人」とは到底言えませんから。
投稿: Fumi | 2023年11月 8日 09:54
Fumi さん:
>政府や機関や大きな組織が発信する内容を鵜呑みにすることなく懐疑的な視点を持ち、問題意識を持って自身の考えを表明することは熟慮が必要です。
という指摘から、
>「熟慮性が低い人」ほど「陰謀論を信じやすい」と結論づけることはかなり乱暴であるかと思います。
という指摘にさらりとつながる論理の流れに、ある意味感動してしまいました。
投稿: tak | 2023年11月 8日 17:13