実際にクマが頻繁に出没する現場からのナマ情報
私の 10月 25日の記事にクマに関する記事にコメントを付けてくれた食工房の青木幹雄さんが、現場から貴重な情報を発信してくれている。「共存は不可能、クマの性格」(10月 29日付)と「それでもクマは増えている!」(11月 1日付)という 2本の記事だ。
青木さんは福島県の喜多方市の中でも、秘境といわれる飯豊山登山口に近い山都町で、実際に畑を荒らすクマと隣り合った暮らしをしている。それだけに彼のブログは、「現場からのナマ情報」として説得力がある。
現在のメジャーなメディアで流通している情報の多くは、「今年は 3年前と同様、暑さのためにクマの食料となるブナの実が大凶作で、腹を減らした冬眠前のクマが餌を求めて頻繁に人里に降りてくる」という点で一致している(参照)。ところがこれと現場の実感とは、かなりズレがあるようなのだ。
そういえば私の故郷である山形県酒田市の市街地にクマが現れるという前代未聞の出来事があったのも、今年 6月の初めだった(参照)。これだけをとっても、「冬眠前云々」という情報は確かに説得力が弱い。
専門家も含めた多くの人の認識は、ひょっとしたら違っているのではないかと、私は大いに疑っています。
だって、監視カメラに映るクマの様子からも、捕獲された個体の実例を見ても、痩せているクマなんか一頭もいませんでした。
記事には「猟友会の人も不思議がるくらい、夏だというのにタポタポと脂がのった肉付きでしたから」とある。山の中に食うものが無くて仕方なく人里に出て来るというよりは、青木さんの次のような推察の方がより客観的な説得力があるように思う。
付近の山の中では、環境が良好で順調にクマが数を増やした結果生息域が広がり、そして餌を奪い合うほどになり、環境の良くない所にはじき出された個体が、人里の農作物を狙って侵入を繰り返すようになったのだと思います。
となると、「クマと共存と言うなら、それはこちらも同等な強い力を誇示して圧力でバランスするしか方法はありません」というのも理解できる。彼の言う「人がクマの天敵になるのが役割」というのは、まさにそうした意味なのだろう。
自然な暮らしを愛するが故に、福島の山里に移転して自然食の仕事をしている彼がここまで言わざるを得ないというのは、状況がのっぴきならないところまで来ている故なのだと思わざるを得ない。
現場からの切実な声として、しっかりと受け止めなければならないだろう。
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