昭和初期の子供用エプロンって、なかなかいい!
戦前や戦後の黒猫や絵本や絵画などをコレクションしているという @noir1129 さんが Twitter に J plus collecion というアカウントで、昭和初期の「子供用紙エプロン」というのを紹介しておられる(参照)。なお「子供用の紙エプロン」であり「子供用紙のエプロン」ではないので、念のためよろしく。
写真で紹介されているのは、高島屋の食堂で提供されていたもののようだ。紙エプロンだけに本来は使い捨てのものだから、今では探してもなかなか見つからないらしい。
カタカナで「タカシマヤ ショクドー」とあるのがなかなかいい味を出していて、『鳥獣戯画』を思わせるような「兎と亀」の絵の周囲に、当時の乗り物がびっしりと描かれている。よく見ると、確かに昔の絵本に出てくるような馬車や汽車、汽船、乗り合いバスなどで、飛行船、複葉機まである。
使い捨てだけにとくに手の込んだデザインというわけではないが、それがかえっていい感じを醸し出している。
昭和初期と言えば、昭和 8年が西暦 1933年だから、今から 90年ほど前だ。太平洋戦争の勃発は昭和 16年だから、少なくとも 80年以上前のものである可能性が高い。ちなみに昭和 8年の東京日本橋って、こんな感じだったようだ。人もクルマも少なくてのどかだなあ。
それにしても使い捨ての紙製エプロンが、よくまあ残っていたものだ。よほど思い入れの強い人が大切に保存していたのだろう。何年も経たないうちに戦争の暗い世の中に突入するわけなので、保存していた人の気持ちは察するに余りある。教科書では学べない実感たっぷりの歴史だ。
百貨店の食堂なんて今ではほとんどなくなってしまい、せいぜい外部の飲食店が並んでいるぐらいのものになったが、私が子どもの頃(昭和 30年代)はまだ健在だった。休みの日には百貨店屋上の遊園地で遊び、最上階の食堂で昼食を食べさせてもらうのが楽しみだったのだから、のどかな時代である。
時代は移って、私の生まれた山形県は「日本初の百貨店ゼロ県」となってしまった(参照)。今じゃ百貨店なんかなくても買い物には困らないのだから、これもまた当然の流れだよね。
ところで今の「ファミレス」は子供用の使い捨て紙エプロンなんて提供してるんだろうかと思い、ググってみたらガストなんかではこんな感じのようなのだね(参照)。ガストの属するすかいらーくグループって、「アンパンマンクラブ」なんてことをやってるらしい。
思い入れのある方は、大切に保存しておくといいかもしれない。値が付くかは別として。
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