「トー横」という言い方、今イチしっくりこなくて・・・
"「トー横」周辺で29人一斉補導" というニュースがいろいろなメディアで報じられており、朝日新聞によればその 6割が都外からの少年少女だったという(参照)。いやはや、お上りさんが多いってわけで、今も昔もあまり変わっていないのだね。
「トー横」問題に関して書くのはこれが初めてというわけじゃなく、昨年 11月 1日にも ”「トー横」で、マット敷いて寝袋で寝る若者” というタイトルで書いている。ただ私としては、この「トー横」という言葉にはまだ馴染めていない。今イチしっくりこないのだ。
音として「とーよこ」と聞いたら、鉄道の「東横線」とか、出張先で結構泊まるビジネスホテルの「東横イン」を思い出してしまうし、横書きの場合の文字を見ると、つい「トイチ」と読んでしまうんだよね。縦書きだったらそうはならないが。
「トイチ」と言っても「十日で一割」の高利貸し(参照)を思い出すわけじゃなく、もっと艶っぽい話である。「上」という漢字を分解するとカタカナの「ト」と漢字の「一」になるので、その昔、人並みより上の器量の女性を「ト一」(トイチ)と言ったりした。
歌舞伎の『青砥稿花紅彩画』(あやとぞうしはなのにしきえ:いわゆる『白浪五人男』)の「浜松屋」の場では、女装の弁天小僧に手代が「これはト一お嬢様、これへいらっしゃいまし」なんて声をかける。この「ト一お嬢様」が、実はいきなり片肌脱いで啖呵を切り始めるわけなのだが。
さらに私の生まれた山形県酒田市には「ト一屋」(読みは「トイチヤ」、念のため)というスーパーがあり、店名の由来は「上物」を取り扱ってるというココロなのだろう。それで「トー横」という文字を見ると、何だかト一屋の横っちょみたいな感じがしてしまうのだよね。酒田市民の多くもそうかもしれない。
まあ、現代の若い子たちも、あんまり無茶しないようにテキトーに楽しんでもらいたいものである。そうでないと、白浪五人男のように最後には稲瀬川の川端でお縄頂戴ってことになってしまう。
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