桐島聡を名乗った男の暮らしぶりに関する対照的な報道
桐島聡を名乗った男が昨日末期胃がんで 死亡したという。40年もの間どんな暮らし方をしていたんだろうと考えていたところ、彼の生前の暮らしぶりに関して対照的な 2つの報道が見つかった。見出しを見ただけで「いかにも産経新聞と東京新聞らしいことだなあ」と納得の溜息をついてしまったよ。
産経新聞の記事の見出しは "桐島聡容疑者名乗る男「ガリガリ」「どこで寝てる?」 困窮、部屋は乱雑" というもので、こんな感じである。
「もうガリガリ。口からはよだれも出ていた」。会社員が声をかけても、男は「うー」とうなるばかりで、会話にはならなかった。
男が住んでいたという自宅は物置小屋のような建物で、6畳ほどの室内には弁当の空き箱や段ボールなどが乱雑に置かれ、散らかっていたという。
これは今年 1月初旬の話というから、体がかなり弱ってからのエピソードだろう。相当に悲惨なイメージである。
ところが東京新聞の方の記事はこれとは対照的だ。見出しからして "「桐島聡」名乗る男が死亡…真相明かすことなく 約40年暮らした藤沢市のバーで「うーやん」と親しまれていた" と、どこかあっけらかんとしており、「月 1回程度、音楽好きが集まるバーに顔を出していた」と伝えている。
バーのオーナーの男性(66)は「1960〜70年代のロックやブルースが好きで、店でライブをする時は『イェイ、イェイ』と体を揺らして盛り上げてくれた」と振り返る。
市内の別のバーでは「うーやん」と呼ばれており、週1〜2回来店しては赤ワインを好んで飲んでいた。20年ほど前には、夏に店が主催する70〜80人規模のバーベキューにも毎年のように参加していたが、最近は店にも来ていなかった。
気楽な独身オッサンといったイメージである。胃がんを患う前はそれなりに生活を楽しんでいたとも思われるのだ。
まあ、確かにそうでもなかったら 40年間もの潜伏生活は続けられないだろう。ちなみに「1960〜70年代のロックやブルースが好き」というのは私も同じで、つい「同世代感覚」を覚えてしまったよ。
で、この 2本の記事のどっちが本当の姿なのかと言えば、どっちも本当なのだろう。要するに「終わりよければすべてよし」とはいかなかったわけで、やはり「因果応報」の法則は裏切ることができなかったのだね。
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コメント
私の勝手な思い込みかも知れませんが、隣にある藤沢市は湘南地区にあり開放的で他人のことをあまり詮索しない土地柄だと思います。潜伏場所としてはいい場所を選んだと。
それにしても若気の至りでいいように洗脳されて、モナリザの絵にスープをかけてる程度では逮捕されて微罪で終わるでしょうが、10件の爆破事件に関わってしまっては今回のように死ぬ迄逃亡を続けなければならない。一日も気の休まらない人生だったに違いない。仲間が死刑判決を受けているのでなおさらです。
投稿: ハマッコー | 2024年1月30日 20:48
ハマッコー さん:
>潜伏場所としてはいい場所を選んだと。
なるほど、東北の地方都市だったりしたら、すぐに「あの人、身分証明書も保険証も持ってないし、アヤシすぎ」ってことになったでしょうね。
>一日も気の休まらない人生だったに違いない。
その意味では、案外メンタル強いですよね。40年も逃げ通していたら、そのあたりが鍛えられてしまうのかとも思ってしまいます。
投稿: tak | 2024年1月30日 21:58