「100万分の1の確率」と、個々人の感性の問題
Gigazine の昨日付記事に ”「100万分の1の確率」は実際にはどれくらいの確率なのか?” というのがある。「何をアホなことを。100万分の 1の確率といったら、100万分の 1に決まってるじゃないか」と思ったのだが、この記事の趣旨は別のところにあるらしい。
英語では "a million chance" という表現が度々使われるらしい。「100万分の1の確率(でしかない)」といった意味だが、あくまでもざっとしたカジュアルな表現で、決して厳密な計算をして言っているわけじゃない。
この記事のポイントは、カリフォルニア大学バークレー校統計局が「じゃあ、その『100万分の1の確率』って、例えばどんなことなのか」というのをきちんとした計算で突き詰めたということだ。なるほど、おもしろいといえばおもしろい。
ちなみに上の画像は「コイントス」をしているところである。この例で言えば「100万分の1の確率」というのは、「20回連続して同じ面が出る」というほどのものなのだそうだ。
コイントスで表が出るか裏が出るかというのは、2分の1の確率である。この確率で 3〜4回続けて同じ面が出るのはそれほど珍しいことじゃないが、それ以上となると加速度的に困難になるのだね。
ただ「20回連続」というのを「とんでもない回数」とみるか「案外少ない回数」とみるかは、個々人の感性によるだろう。例えば「100万ドル」(最近の相場で言えば、約 1億5,000万円)という金額について「到底無理」と思ってしまうか、「何とかなる」と思えるかみたいなものだ。
ちなみに「100万分の1の確率」というのは、ほかにこんなようなことが挙げられている。
- 宝くじのパワーボールを 1年間毎週 6枚のチケットを購入したら 1等が当選する確率
- 50分以内にヘイワード断層で発生した地震がカリフォルニア大学バークレー校に影響する確率
- アメリカで今後生まれる 24人の赤ちゃんのうちの 1人が大統領になる確率
さらに、「公式スキー場に 1回訪問してスノーボード事故によって死亡する確率」「カリフォルニアで 300kmの自動車旅行中に死亡する確率」というのも「100万分の1の確率」なんだそうだ。これでゾッとするか安心するかも、やっぱり個々人の感性なんだろう。
そんな意味では、細かいことは気にせずに呑気に暮らすのが精神衛生には一番なのかもしれない。
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コメント
CT検査を受ける時に造影剤を血管に注入しますが、それで死に至る確率が100万回で一回なんだそうです。
検査前に同意書にサインさせられますが、説明書きにはそれは航空機に乗って死ぬ確率より少ないともあります。
ギョッとしたりホッとしたりの数字ですね。
国内の年間CT検査数は3000万件だそうで100万分の一を掛けると30人が死に至ってることになります。
数字の使い方は微妙ですね。いきなり年間30人が死に至ってますと言われたらびっくりしますが、100万回で一回と言われたら不安はありますが納得してしまいます。
投稿: ハマッコー | 2024年1月14日 19:59
ハマッコー さん:
>いきなり年間30人が死に至ってますと言われたらびっくりしますが、100万回で一回と言われたら不安はありますが納得してしまいます。
本当にそうですね。「年間 30人」と言ったら、かなり迫ってくるイメージですが、「100万回で 1回」なら、さっと遠のきます (^o^)
投稿: tak | 2024年1月14日 22:02