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2024年1月22日

珠洲原発建設計画、中止になっていて本当によかった

東京新聞が本日付で ”「珠洲原発があったら…もっと悲惨だった」 能登半島地震で孤立した集落、原発反対を訴えた僧侶の実感” という記事を伝えている。インタビューに応えているのは、原発反対運動の中心的存在だった地元の僧侶、塚本真如(まこと)さん(78)だ。

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まず、珠洲原発がどんな計画だったかを、東京新聞の記事から引用しておこう。

関西と中部、北陸の電力 3社が 1976年に構想を発表した。関電が高屋地区に、中部電が寺家(じけ)地区にそれぞれ 100万キロワット級の大型原発を建てる計画だったが、住民らが反対運動を展開。電力需要の伸び悩みもあり、2003年に凍結された。

というわけで、当初の計画では高屋地区と寺家地区の 2箇所に大型原発を建設する予定だったわけだ。仮に計画通りに 2つの原発ができていたとしたら、能登半島は今回の地震でさらに悲惨なことになっていた可能性が高い。

塚本さんのお寺「円龍寺」は原発計画のあった高屋地区にあるのだが、本堂は無事でも自宅の居間は写真のようにすっかり潰れてしまったという。下敷きになった妻の詠子さんを助け出せたのは、不幸中の幸いだった。

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このような災害が起き、しかも海岸の地盤が隆起して地形が変わってしまうほどになった地域に原発なんかがあったら、どんなことになっていたかわからない。原発の避難計画に詳しい環境経済研究所の上岡直見代表は、記事中で次のように語っている。

今回の地震で珠洲原発予定地は地盤が数メートル隆起した。原発があったら、配管などが壊れて冷却が全くできず大事故となり、逃げられない住民は福島原発事故以上に被ばくした可能性は否定はできない。

珠洲原発建設計画が中止になっていて本当に良かったというほかない。さらに言えば、地震国の日本で原発を建設するということ自体が危険すぎるのである。とくに半島の突端に造ったりしたら、何かあった場合の対策ができなくなってしまう可能性が高いじゃないか。

まったくもって原発は造らないに限るし、造ってしまっても稼働しない方がいい。

 

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コメント

自分の頭の中で珠洲という字面は「原発」と結びついていて、震災の日、真っ先に「珠洲? 原発ヤバいんでは?」と焦って調べてみて、「ああ、建設を阻止した場所だったか」と胸をなで下ろした次第です(とはいえ地震の被害は深刻なのですが)。

「字面」と書いたのは、そもそも「すず」
という読みを知らなかったという…。テレビ(地上波)をまったく観ないこともあって、基本、文字ベースで情報が入ってくるので、読みを知らないことが多いのです。以前、首相官邸前で「せんだいげんぱつ再稼働反対」というコールを聞いて、「そうかぁ仙台にも原発があったのかぁ」と思った無知ぶりでした…。

投稿: 山辺響 | 2024年1月24日 09:16

山辺響 さん:

私の場合は「珠洲原発が完成したとは聞いてないから、福島みたいにはならないよなあ」程度でしたから、五十歩百歩ですね ^^;)

私も基本、文字情報が多いのですが、妻がラジオ・オタクなので自然に音声情報も入ってきて、アタマの中で文字と結びつけることができてます。

>そうかぁ仙台にも原発があったのかぁ

推進派の言うように原発がそんなに安全なものなら、仙台郊外にあろうが、神宮外苑にあろうが構わないんでしょうけど、そうはならないところが「やっぱりね・・・」ってことなんでしょうね。

投稿: tak | 2024年1月24日 14:59

がはは 鹿児島の川内ですね。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%B8%82
台風とか大雨で時々話題に上がるかと(川内川)
私は 山下洋輔の「ドラバタ門」で地名を知りました。

投稿: Sam.Y | 2024年1月26日 15:25

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