日本アルプスと、越後山脈、奥羽山脈の鉄壁ガード
走る人参(気象予報士)さんという方が「日本アルプスガード 強すぎる」という tweet をしておられる。下の図を見るだけでも関東が日本アルプスの鉄壁のガードによって雪雲から守られていることがわかるが、クリックしてオリジナル記事に飛ぶと、動画効果でさらに納得させられる。
紹介されているのは、今月 18日午前 8時 15分から翌 19日午前 5時 15分までの 21時間の雲の流れの動画だ。西から日本列島に押し寄せてくる雲が北アルプス(飛騨山脈)から中央アルプス(木曽山脈)、南アルプス(赤石山脈)の山々にせき止められ、関東にはほとんど流れ込んでこない。
ただ、走る人参(気象予報士)さんは日本アルプスに注目するあまり、その北の方のことには触れていない。東北生まれの私の実感からすると、越後山脈と奥羽山脈のガードもかなりのものである。下の図は nippon.com の「奥羽・越後山脈が北日本に豪雪をもたらす:歴代積雪ランキング」にある地図だ。
地図上の赤いポイントは歴代積雪ランキングに記される地点(すべて積雪 3m以上)だが、越後山脈と奥羽山脈の西側に集中しているのが一目でわかる。とくに新潟県が多く、雪雲が越後山脈によって搾り取られた結果、北関東に空っ風が吹くというメカニズムが一目瞭然だ。
なお私としては、越後山脈の南で谷川岳を主峰とする三国山脈も一応雪のガードに加えておきたいところだ。この名の由来は、越後、信濃、上野の 3つの国を隔てる山脈ということで、ここを境に自然や気候ばかりでなく文化習俗もかなり異なるというのが、行ってみるとよくわかる。
ちなみに私は東北日本海側庄内の出身で、妻は奥羽山脈で隔てられた太平洋側の仙台出身だ。一口に東北といっても日本海側と太平洋側では冬の様相がまったく異なり、私は地吹雪に吹かれて育ったのだが、妻は雪、とくに吹雪に関する実感をほとんど持っていない。
そのため妻が初めて冬の酒田を訪れた時には、猛烈な季節風に吹かれてアイスバーンの上を棒立ちのままスルスルと流されるという恐怖を味わったのだった。その詳細は こちら。
というわけで、関東を始めとする太平洋側の人間にとっての日本アルプスや越後山脈、奥羽山脈、三国山脈は「ガード」なのだが、日本海側の人間にしてみれば「雪雲の搾り取り機」みたいなことになっているわけだ。
高校まで雪国で育ち、それ以後は関東で暮らしている身として、このあたりの「不公平感」はしみじみと感じてしまうところである。
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