大阪万博を通して見える不思議な現象
毎日新聞が「万博費膨らみ大阪府・市 836億円超 今後 10年赤字 当初予算案」というニュースを伝えている。万博関連で発生する大赤字の穴埋めなどに 10年かかるというのである。まあ、これで得する土建屋とか広告代理店とかのセクターはハッピーなんだろうけどね。
それにしても不思議な現象である。大阪周辺に限った調査でも 3人に 1人しか行きたいと思っていない(参照)イベントの開催を無理矢理推進している大阪維新の会が、選挙となるとどういうわけかやたら高い支持を得てしまうのだ。
そしてこのイベントに関しては、自民党まで不思議な執着を見せているというのも不思議な現象である。昨年秋に菅元首相が「国を挙げて取り組むべき」なんて寝言を言っているが、所詮寝言だけに意味がわからない(参照)。
こんなものに「国を挙げて」取り組んでもしょうがないだろうに。いずれにしても、維新の会というのは自民党とかなり通じちゃってるというのが透けて見えてしまう話だ。
現代ビジネスが ”プーチンなみの「支持率 7割超え」…!? なぜ維新は「大阪人だけ」をこんなにも熱狂させているのか” と報じている。こんなに極端ではないにしろ、国政も似たようなところがある。岸田内閣の支持率がわずか 25%(参照)なのに、自民党政権は安泰なのだから。
どうもこの国では、個々の政策や政権が支持できなくても政党は支持するという、摩訶不思議な傾向があるようなのだね。
不満はいろいろあっても、大きな変化は望まないということなのか。あるいは表面的に大きな変化と見えることがあっても、中身は全然変わらないということが見透かされているのか。まあ、この両方の合わせ技なんだろうが。
それにしても維新の会という政党は、保守のようで革新のようで、絶妙なまでに訳のわからない立ち位置だよね。
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コメント
やはり元をたどれば大坂の陣の恨み、国政政党の本部が大阪に在って大阪人がやっているということが重要なのかと。
万城目学氏の小説「プリンセス・トヨトミ」ってご存知でしょうか。私は映画で観たのですが、wikipediaの項目を見るだけで、大阪人がどれほど大阪を愛し(そして東京を毛嫌いし(笑))ているかわかります(笑)。
投稿: らむね | 2024年2月17日 23:22
らむね さん:
「大阪維新の会」というのは地方政党ではあるけれども、国政政党である「日本維新の会」の母体であって、心情的には国政政党より優位にあるみたいなのが、なかなかおもしろいところですね。
ただ、関西には歴史的な中心である京都(建て前の世界)と、経済的な中心である大阪(本音の世界)というのがあって、そのあたりでビミョーな心理的複雑さをもつというのも見逃せないと思います。
キタとミナミでもずいぶん感覚が違うし、その写しが福岡と博多みたいな気もします。
「プリンセス・トヨトミ」というのは知りませんでしたが、地下に眠る「大阪国」というのが、そのあたりのビミョーさを集約しているような気もしてしまいます。
そうしたビミョーさが常に意識されすぎてはさすがに疲れてしまうので、それを止揚するために、吉本的なお笑い感覚が必要なんでしょうかね。
大阪人もシンプルなように見えて、実はなかなか複雑なようですね。
投稿: tak | 2024年2月18日 07:30