「窓側が上座」だなんて、やっぱりガセネタだった
ファイナンシャルワールドというサイトの 3月 18日付に ”新幹線で「窓側指定席」を予約したのに、「通路側」の人が「真ん中」の肘掛けを使っていました。この場合、「指定席代」を一部でも請求できるでしょうか…?” という記事がある。新幹線の「真ん中の肘掛け」は窓際席のものと言わんばかりだ。
そもそもこの記事のタイトルになっている質問自体が非常識でゴーマン過ぎると感じるのは、私だけじゃないだろう。新幹線に限らず、座席の間にある肘掛けは座席の区切りであり、どちらかの席の専有物というわけじゃないはずだ。
ところがこの記事には、こんな記述がある。
新幹線の座席における、肘掛けを使用するルールとしては、基本的に窓側の人が使えると決められています。その理由は、新幹線の座席では窓側の席が「上座」とされているからです。
これには驚いた。そんなルールがあるとは、この歳になるまで聞いたことがなかったからである。この記事にはさらに、こんな記述まである。
3人席の場合も一番窓側の席が上座となり、通路側の席になるにつれて下座となります。右手に窓がある座席の場合は、上座の人が左側にある肘掛けを使い、左手に窓がある座席の場合は、窓際の人が右側にある肘掛けを使うことが可能です。
それで「上座である窓側の指定席を予約すれば、左右両方の肘掛けを使えます」ということになり、「通路側の人が真ん中の肘掛けを使っている場合は、肘掛けの使用ルールに反していると見なせるでしょう」なんてことなんだそうだ。
「おいおい、そりゃないだろう!」と言いたくもなるではないか。同じ座席指定料金を払っているのに、裏でこっそり「上座」とか「下座」とかのランク付けをされてるのではたまらない。
そう思っていたところ、3日後の 21日付で弁護士ドットコムニュースというサイトに ”新幹線の「真ん中肘掛け」は「上座の窓側が使える」ルールは本当か 紹介したネット記事に批判集まる” という記事が載った。
この記事には、「JR東海は弁護士ドットコムニュースの取材に、そのようなルールも事実もないと否定した」と明確に書かれている。ほうら、やっぱりね。「窓側が上座」だなんてガセネタだったじゃないか。
ただ、このガセネタを真に受けた人が、実際に新幹線の中で「肘掛けを使えるのは窓側に座っている俺だけだ!」なんてムチャクチャなことを言い始めて余計なトラブルになる可能性がある。その意味で、こんな無責任な記事を書いた記者の罪は重い。
ファイナンシャルワールドなんてサイトは、ほとんど気にしたこともなかったのだが、今後は「要注意サイト」として意識しておくことにしよう。
弁護士ドットコムニュースでは「R東日本にも問い合わせており、回答があれば追記する」としているが、22日午前 8時 30分の時点ではまだ追記はない。ただ、おそらく「窓側が上座」だなんて回答はないだろう。
そんなルールがあったら、「通路側座席の指定料金を安くしろ!」という訴訟がもちあがり、大変なことになる。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 町内会とゴミ捨ての難しい問題(2025.04.21)
- 万博が開幕したようで、ご苦労なことである(2025.04.14)
- 統一教会の「合同結婚式」、まだやってるんだ(2025.04.13)
- フジテレビの不祥事関連で、いろいろ出てきてるが(2025.04.03)
- 岡山の山火事の原因は、伐採した木の焼却だった(2025.03.30)
コメント