眠れない時に目を閉じて横になることを巡る冒険
その昔、「眠れない時は目をつむって静かに横になっているだけで体が休まり、睡眠と同程度の効果がある」なんてことを教わった覚えがある。高校の教師が受験シーズンの睡眠不足を心配して言っていたことのような気がする。
ところが HUFFPOST の 3月 22日付「眠れない時は目をつむって横になるだけでもいいって本当?」という記事には、それとは反対のことが書いてあるじゃないか。
睡眠研究の世界的権威という、筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史さんという方によれば、「ベッドで横になって安静にすることで、体は休まるかもしれませんが、眠ったことにはなりません」ということになるようなのだ。「体を休めること」と「眠ること」は別物ってわけだ。
ただ面倒なことに、インターネットの世界を検索してみると、昔の高校教師の言っていたようなことも依然として幅をきかせている。代表的なものだけを挙げてもこんな具合で、とくに 2番目は精神科医の岡田尊司さんの著書を紹介しており、かなりもっともらしい。
眠れない!不眠!?と焦らなくても大丈夫。目をつぶって休んでいるだけで体の疲れは取れる
眠れないときは眠らなくてOK! 目を閉じるだけで脳は休息状態に
「どっちが本当なんだ?」と言いたくなってしまうが、柳沢さんの「眠くもないのにずっとベッドに入ったまま悶々としているのが一番よくない」という指摘は、感覚的にもしっくりくる。
ベッドで悶々としていると「パブロフの犬」の場合のように、「ベッドは眠れない場所だと条件付けされてしまう」というのである。ベッドを見るだけで条件反射的に眠れなくなったりしたら、そりゃ確かに大問題だ。
ベッドに入っても眠れない時は、一度ベッドから出る必要があると、柳沢さんは強調する。ストレスを忘れてリラックスできるようなことをして、本当に眠くなってからベッドに入ればいいのだそうだ。なるほどね。
ここで自分の場合を振り返ってみると、「ベッドが眠れない場所」として条件付けされてしまうなんて心配はまったく無用のようだ。私の場合はいつの頃からか、「ベッドは倒れ込むように寝てしまう場所」と条件付けられてしまっているようなのである。
というわけで、個人的にはどっちが本当でも全然構わない。眠れない人が実際に試してみて、自分に合う方を選択すればいいだろう。
ちなみに眠りに関して私が自信を持ってオススメするページは、私のもつ「知の関節技」というウェブサイトにある「なぜ、日本人は羊を数えても眠れない? 比較文化学的考察 」というページだ。
最近でこそ「羊を数えるのは日本人には逆効果」とするウェブページがどっさり存在するが、それを 24年も前に日本で初めて論理的に指摘したのは、ほかならぬ私のこの記事なのである。これはしっかりと強調しておきたい。
さらにこの記事中には、「日本人ならこれを数えればほぼ確実に眠くなる」という「あるもの」が紹介されていいる。知りたい方は上記をクリックして読んでいただきたい。
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コメント
なるほど、‟ヒツジ”という発音は大脳を覚醒させますね。加えて‟ピキ” ‟ヒキ”というのも同様ですね。米なら‟tsubu”でuで繋がるので大脳への刺激が少ない。ヒトツブフタツブとブツブツ言ってれば眠れそうですね。
投稿: ハマッコー | 2024年3月27日 19:27
ハマッコー さん:
>ヒトツブフタツブとブツブツ言ってれば眠れそうですね。
ナイス洒落 (^o^)
まさに「ブツブツ」という感じですね。
投稿: tak | 2024年3月27日 19:45