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2024年3月20日

最近の変な英語看板は「自動翻訳」の産物なのかも

この国では全然珍しくも何ともない「変な英語看板」だが、最近は「自動翻訳」に頼りすぎた結果なんじゃないかと思われるものが増えているように思う。何しろ機械的過ぎるほどの「トンデモ直訳」が目立つのである。

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典型的なのは、「トイレは駐車場です」を "The toilet is a parking lot." としちゃってる例だ。名古屋城正門前のトイレは、クルマを突っ込まれてしまいそうだ。

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日本語的には「トイレは駐車場です」でも何とかわかってもらえるだろうが、自動翻訳はバカ正直に「トイレ=駐車場」と受け取っちゃいがちだ。実際に試してみたところ、Google 翻訳では "The toilet is in the parking lot." とまともだった(参照)が、weblio ではまんまの訳が表示された。

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本来は元の日本語を「トイレは駐車場内にあります」とすべきだったのだが、それでも weblio でやってみると、まともな翻訳のほかに第二候補として、”In the restroom, a parking lot is inner”(トイレ内では駐車場が奥にあります ???)なんてぶっ飛んだ訳が示された。

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さらに「本日は終了しました」が "Today is over." になってしまったのも、単純直訳の産物だ。終了したのは決して「本日」ではなく、「本日の営業」なのだが、直訳のせいで「今日が終わった」になってしまっている。

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「本日は閉店しました」ということなら、フツーは "Closed for today." といった決まり文句があるんだけどね。

次の写真は多分ホテル客室内の冷蔵庫に関する表示のようだ。「使用不可/不能使用」が "I cannotuse it" という翻訳になってしまったのは、自動翻訳がちょっと気を利かせたつもりで「私は」という主語を補ったからだろうが、そのせいでますますおかしくなってしまった。

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しかもそれを書き写す際に "cannot" と "use" をつなげちゃったものだから、摩訶不思議なまでの不調法になっている。

この水は飲めません」という日本語も、自動翻訳にかける場合は理窟が通るように「この水は飲用ではありません」と言い換えれば、ごくフツーに "Not for Drinking" とはならないまでも、なんとかなっただろう。

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この場合も「私は」という主語が補われた結果、"I cannot drink this water." (私はこの水、飲めません)なんてことになってしまった。せめて主語を "You" にしてくれたら、何とか理解してもらえるだろうが。

一方で、補う主語を "you" にしたのはいいのだが、補い過ぎてヤバいことになった例もある。

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あぶないから、はいってはいけません」が "Because you are dangerous, you must not enter." では、「あなたはアブナい人だから進入お断り」になってしまう。余計なことを考えずに、ごく素直に "Off limit" にしとけばよかったのに。

というわけで、自動翻訳にかけてトンデモな英語にされてしまうのは、元々の日本語からしておかしい、といって語弊があるなら、翻訳にかけるには不親切過ぎる表現の場合が多いのだと気付いた。要するに日本語の段階で不自由なのだから、自動翻訳なんかにかけたら不自由以下の英語にしかならない。

こうした看板を作っちゃう人って母国語が不自由なほどだから、翻訳結果の外国語が不自由以下のできでも、ためらうことなくそのまま看板にして平気なのだね。フツーの英語のお約束的言い回しを知っていれば、まどろっこしくて余計な翻訳なんてせずに済むのに。

教訓その 1: 自動翻訳(とくに和文英訳)の結果をそのまま信じてはいけない。

教訓その 2: どうしても自動翻訳を使いたい場合は、元の日本語を村上春樹調(下の「注」参照)に書き換えてからにすべし。ただ、それができるくらいなら自動翻訳なんていらないか。

【注】

村上春樹調」の英訳は weblio では "Haruki Murakami-like" と表示されるが、どうもこなれが悪いので、"Haruki Murakami style" と言いたいところだなあ。

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コメント

久しぶりに大笑いしました。
最近、あんまり出かけないから、
こういう面白い場面に出会わないんですよね。

中学で始めて習った英語の先生がネィティブの発音をされた方で、
授業中に悪さをした生徒に、ペラペラペラと
英語で説教したのを思い出しました。
もちろん、クラス全員チンプンカンプンだったのですが。

その先生のおかげで、英語が好きになったのかもです。


投稿: さくら | 2024年3月20日 13:55

さくら さん:

その先生、なかなかいいですね。ペラペラと英語で説教されたたら、叱られた方にも下手なシコリが残りません (^o^)

投稿: tak | 2024年3月20日 15:18

not in service
out of service
きっと深部では意味合いが違うのでしょうが、どっちゃでもええです。

I cannot drink this water.
もしかしたら、この文言を読んだ人を試しているのかもしれませんねぇ。
〽アナタなぁらどぉする〜

投稿: 乙痴庵 | 2024年3月21日 20:14

乙痴庵 さん:

”out of service" は、「壊れちゃってて使えません」ってな意味でしょうね。

>I cannot drink this water.
>もしかしたら、この文言を読んだ人を試しているのかもしれませんねぇ。

なるほど、「俺なら飲めんけど、飲んでみる?」ってな感じか (^o^)

投稿: tak | 2024年3月21日 22:19

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