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2024年3月 8日

高校での居合道指導で真剣を使ったって?

奈良県生駒市の県立高校で、剣道部の顧問が日本刀(真剣)を使った指導を行って生徒の太股を刺してしまっていたというニュースには、かなり驚いてしまった。初心者の体に刀が届いてしまうような間合いでは、常識以前の問題として真剣を使うことなんてないはずなんだがなあ。

この事件では、学校に真剣を持ち込むことを禁止するという規定のなかったというのが問題になっているようなのだが、そんなことまでいちいち想定していたら、「禁止項目」だけで分厚い百科事典みたいな書類になってしまうだろう。だからこそ「常識以前の問題」としてしっかり認識しておく必要がある。

私が以前にやっていた合気道(実はこれでも黒帯なのだよ)では、杖術と剣術の稽古もする。もちろん道場内で真剣を使うことはほとんどなく、もっぱら木刀での型稽古だった。ちなみに木刀の素振りは今も時々してる。

合気道での剣術の稽古は居合道にかなり近いものだったので、「剣道」のような実践形式での打ち合いはしない。稀に向かい合ったとしても、それは「間合い」の感覚をつかむためなので、かなり慎重に行う。

今回の事故で、指導した教師は「当たるとは思っていなかった」と言っているというが、慎重さに欠けていたと言うほかない。熟練者同士だったら当たらなくても、初心者は時として常識にない動きをするから、当たるはずのない剣の当たってしまうことだってあるのだ。

今回の指導は剣道部と空手部の部員を対象にしていたというのだが、もしかして剣の間合いをわかっていない空手部員が、常識にない間合いにまで近付いてしまったのかもしれない。「間合いを制する者は剣を制す」というぐらいだから、逆に言えば間合いを間違えたら自分が死んでしまいかねないのだ。

こんな場合、ものすごく公平(悪公平?)に見れば両者が悪いということになりそうだが、これは部活というケースなのだから、指導者の配慮が足りなかったとするのは当然の結論だ。

こんなこともあるのだから、高段者による指導とはいえ、学校の部活に真剣を持ち込むのは避けるべきだったと言うほかない。とにかく実感として、木刀での型稽古でさえつい熱が入り過ぎると結構コワいことがあるのは確かなのだから。

【同日 (念のため)追記】

冒頭で紹介した ANN のニュース動画、8秒目あたりからの居合道実技の場面だが、刀を振り下ろすと小気味よいほどの「ヒュッ!」という音がする。あまりにも見事な音なので、後から付け足した効果音じゃないかと疑う人がいそうな気までしてしまった。

しかしこれって効果音なんかじゃなく、熟達者が真剣を使ってやると本当にこうした風切音がするものなので、そのあたりよろしく。木刀だとここまで見事な音は出ないので、つい憧れてしまうよ。

 

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