「よい夫婦の日」(4月 22日)の哀しさ
今日は「よい夫婦の日」なんだそうだ。1989年 11月の国連総会で 1994年が「国際家族年」と定められたことをきっかけに、講談社が語呂合わせでこの年の 4月 22日を記念日として制定したらしいのだが、哀しいことに当の講談社のサイトに行ってもこの日のことに関するページが見つからない。
講談社、自ら制定した記念日絡みのマーケティングはすっかり放り出してしまってるようなのだ。そんなわけで、今となっては Google で「よい夫婦の日」というキーワードで検索してもヒットするのは 11月 22日の「いい夫婦の日」の方が圧倒的に多い(参照)。
もっとも講談社としても初めから完全にトボけていたというわけではなく、この日を制定した 1994年から 4月 22日に「ナイスカップル大賞」という賞を授与するイベントを開催していたようだ。それに関する「よい夫婦の日」というサイトは、講談社のサイトとは別に今でも残っている。
しかしこのイベントも 2010年を最後に開かれなくなったようだ(参照)。思えば 1990年代というのは「失われた 20年」と言われた不況に突入した頃で、しかも 2008年にはダメ押しのように「リーマン・ショック」なんてのもあったので、その翌年には息絶えてしまったのだね。
さらに悲惨なことに "よい夫婦の日「ナイス・カップル大賞」受賞者が続々別れていた!" なんて記事まであったりして、今となってはなかなか話題にするのも憚られる感がある。というわけで「よい夫婦の日」というのは、あまりハッピーな背景を持っていないようなのだ。
ちなみに夫婦関連の記念日はこの他にもやたら多くて、「良い夫婦の日」(1月22日)とか「愛妻の日」(1月31日)、「夫婦の日」(2月 2日)、「仲良し夫婦の日」(7月22日)、「いい夫妻の日」(11月23日)なんてのがあるらしいし、毎月 22日が「夫婦の日」なんてことにまでなっている。
盛りだくさんとしかいいようがないが、いかんせん、どれも 4月 22日よりさらにマイナーだ。とくに11月 22日の「いい夫婦の日」の翌日が「いい夫妻の日」なんていうのはいくら何でも無駄にクドくて、あまりいい戦略じゃない気がする。
1月 22日というのは、唯一プロモーションに熱心に見える株式会社マーキュリーのページに行っても「良い夫婦の日」と「いい夫婦の日」という 2つの異なる表記が混在していて、「おいおい、ニュース・リリース配信の会社のくせに、ちゃんと真面目にやれよ!」という感じである(参照)。
というわけで、夫婦に関する記念日は 11月 22日の「いい夫婦の日」の一人勝ち状態のようで、今日のところはごくフツーにやっていればいいようなのである。以上。
| 固定リンク
「世間話」カテゴリの記事
- 横断歩道でのおばさんとおばあちゃんの異質な行動(2024.10.26)
- カップルができるきっかけの大変化(2024.10.17)
- タワマンは宅配ドライバー泣かせというだけじゃなく・・・(2024.10.16)
- 「新 1万円札は祝儀に不適切」という驚きの新マナー(2024.10.04)
- 逆走車が増えていることに関するあれこれ(2024.08.18)
コメント
いい夫婦の日(11月22日)を深掘りしていったら、「日本生産性本部」なるものに行きつきました。
>1988年に財団法人余暇開発センター(現日本生産性本部)によって提唱された。その後、1998年に「いい夫婦の日」をすすめる会を設立し普及を推進しており、
その「日本生産性本部」ですが、なんとまあ、天下りの神髄を極めたようなところですねえ。お上のバックアップがあるからこそ主流になっているような。これから11月22日を見る目が変わりそうです。
投稿: らむね | 2024年4月22日 12:47
らむね さん:
へえ、「いい夫婦の日」設定の背景までは知りませんでした。
日本生産性本部というのは、聞いただけで生臭い感じがしてきちゃいますね。1970年代に学生生活を送った者としては、関わりを持ちたくないところです。
投稿: tak | 2024年4月22日 13:14