医者が言うには「死ぬなら、がん」なんだってさ
昨年の 12月 16日付で "「上手に楽に老いる」ことを願ってるので" という記事を書いた。医師で作家の久坂部羊さんの "「上手に楽に老いている人」と「下手に苦しく老いている人」の意外な違い" という記事を読んで感じたことをまとめてみたものである。
で、この昨年の記事では「上手に老いること」を希望しつつ、最後に ”ただ贅沢を言わせてもらえば、そうなる前に「突然死」か何かで呆気なくこの世におさらばできれば、モロに楽なんだがなあ” なんて虫のいいことを書いたのだが、これはちょっと見当外れだったようなのだ。
同じく久坂部さんの "じつは「老衰死」は悲惨…医師たちが「死ぬなら、がん」と口を揃えて言う「意外なワケ」" という 4月 27日付の記事を読んだところでは、上手に老いるのも難しいが、上手に死ぬのもまた難しいもののようなのである。
一般に望ましいと思われている「ポックリ死」だが、実はそんなにいいものでもないみたいなのだ。ポックリ死の代表みたいな心筋塞、脳塞、クモ膜下出血については、こんな風に書かれている。
いずれも発作が起きたあとすぐ死ぬと思われているかもしれませんが、実際は発作と同時に意識を失うわけではありません。心筋塞なら胸、脳塞やクモ膜下出血なら頭に、激しい痛みを感じます。命を落とすくらいの痛みですから、激烈なと言ってもいいでしょう。
人間、なかなかノホホンとは死なせてもらえないようなのだ。ちょっと笑ってしまったのは、ポックリ死は突然の死なので、死後の準備ができていないという記述だ。
恥ずかしいことや、隠しておきたいこともそのまま、しておかなければならないこともできず、愛人からの手紙やSNSのやり取り、アダルトサイトの閲覧履歴など、死後に家族に見られたくないものも残したままです。
その点、「がんは治療さえしなければ、ある程度の死期がわかるので、それに向けて準備ができます」ということで、オススメなのだそうである。死ぬ前にやっておきたいことをする余裕があるというわけだ。
がんになって重要なのは、「ほどほどの治療でようすを見て、治療の効果より副作用のほうが大きくなったら、潔く治療をやめる」ということなんだそうだ。どうせ死ぬなら、副作用で苦しむ前にさっさと死ぬ方がいいってわけだ。
ただ、それにしたって「自分の都合」であり、世の中そんなに都合良く運ぶものじゃない。私なんかピンピン健康で、最近「あなたももうぐ 72歳なんだから」と、医者に無理矢理受けさせられた健康診断でも、がんになるような兆候なんてまったくなかった。
このままがんにもならず元気で生き続けていたら、ある日突然「金属バットで思い切り頭を殴られたような痛み」ってやつに遭遇しちゃうかもしれない。いやはや、それも面倒なことだなあ。
ただこればかりは自分ではどうしようもないから、なるべく面倒は避けたいと思いつつも「おまかせ」で生きていくほかない。気楽といえば気楽だが、この先 10年も 20年も(下手すると 30年も?)「おまかせ状態」を続けることになりそうだから、それもまた面倒そうだなあ。
でもまあ、年取ってからの 10年 20年なんてあっという間だから(確かにここ数年の印象って、まさに「あっという間」なのだよ)、適当にやりすごしていけばいいか。
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コメント
じつは「老衰死」は悲惨…医師たちが「死ぬなら、がん」と口を揃えて言う「意外なワケ」現代ビジネスからは削除されているようです。
YahooNewsからはまだ見えるようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c4cc4cec40294f8014ddb329427b2df9230621c3
投稿: Sam.Y | 2024年4月28日 17:35
Sam.Y さん:
現代ビジネスから削除されたというわけではなく、ちょっとデザインを変えて別の URL になっただけのようです。
本文の方でリンク先を修正しておきましたので、よろしくお願いいたします。
いずれにしても知らせて下さり、ありがとうございます。知らせて戴かなかったら、修正できませんでした。
投稿: tak | 2024年4月28日 19:03
> デザインを変えて
そんなに問題のある内容にも見えなかったのに不思議だなと思っていたのですが そういうことですか。
「上手に楽に…」のほうは 前口上の「それを肯定する言説や情報が…安心してよいのでしょうか。」とありますが、本文内容的には 「じたばたせずに 肯定せんかい!」と言われているような気がしますね。
投稿: Sam.Y | 2024年4月30日 08:33
Sam.Y さん:
まあ、いずれ老いて死ぬんですから、じたばたしてもしょうがないってわけですね。
投稿: tak | 2024年4月30日 08:48