グレープフルーツへの、ちょっとした「反感」
私の妻はグレープフルーツが好きで、毎日ヨーグルトに浸したりして食べているが、私は滅多に食べない。柑橘類は皮が簡単に指で向ける「みかん」(伝統的なやつ)以外は面倒に感じてしまい、ナイフを使って食べるなんて途方もない気がしてしまうのだ。
スーパーの棚にはグレープフルーツの「ルビー」と「ホワイト」というのが区別されて並んでいる。よく見れば「ルビー」の方がやや色が濃い気がするのだが、ゴチャゴチャに混ぜられたらもう区別できないぐらいの違いでしかない。
ただ、妻に言わせると「中身は完全に色が違うわよ」というのである。なるほど、上の写真を見てもルビーは確かに赤っぽく、妻は「ルビー派」のようだ。
「色が違うだけ?」と聞くと、「味も栄養も違うのよ」という。ルビーの方が味が濃く、栄養価も高いのだそうだ。上の写真からリンクされる「【グレープフルーツ】ホワイトとルビー、美容や健康に気を使う場合はどちらがおすすめ?栄養士が解説」というページにも、そのようにある。
私が若かった頃は、グレープフルーツと言ったら「チョー贅沢フルーツ」だった。贈答用のメロンとはいかないまでも、高くておいそれとは買えないものだったのである。
それがある時期から急に値段がこなれて「庶民の口にも入るもの」ということになった。ちょっと調べてみたところ、それは 1971年の「輸入自由化」がきっかけだったらしい。私が大学に入った年だ。
ただいくら値段がこなれたと言っても、ビンボー学生だった私としてみれば「気軽に買って食うもの」とはなかなか思われなかった。フツーのみかんの方がずっといい。
私が今でもグレープフルーツに馴染めないのは、「高級フルーツ」と言われていた時代の「反感」めいた感覚が残っているからかもしれない。いくら安くなっても、一度意識の奥に刻み込まれたイメージはなかなか変えられないのである。
それに、輸入品ばっかりというのも気に入らない。自然食派の私は「地場で採れたものが一番」と思っているので、無理にイメージを変えようとも思わないのだよね。
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コメント
市販のグレープフルーツはほぼ全て輸入であるため、オルトフェニルフェノール、TBZ(チアベンダゾール)、イマザリルなど、大量の防カビ剤が使用されているので摂取されないほうが賢明です。
日本国内では収穫後の農薬散布、いわゆるポストハーベスト農薬は禁止されていますが、米国の圧力によって輸入品に対しては許されており、貿易交渉における負の遺産となっています。
おっしゃるように、地場のものが一番、ですね。
投稿: Seto | 2024年4月 9日 10:20
グレープフルーツの輸入が自由化されたとき,高校の地理の先生が「グレープフルーツというからブドウの一種かと思っていたら柑橘類だったんですね」と言っていたのを憶えています。
当時の大多数の日本人はそんな風に思ったかもしれません。
投稿: nomibito-shirazu | 2024年4月 9日 19:09
Seto さん:
>日本国内では収穫後の農薬散布、いわゆるポストハーベスト農薬は禁止されていますが、米国の圧力によって輸入品に対しては許されており、貿易交渉における負の遺産となっています。
そうそう、こんな忌まわしい話が今でも残ってるんですよね。腹立たしいところですね。
投稿: tak | 2024年4月 9日 20:41
nomibito-shirazu さん:
確かに、「なんだ、ミカンの大きいヤツじゃないか」と思った記憶があります。
ブドウみたいにごそっとかたまって木になるからだってなことでしたね。
投稿: tak | 2024年4月 9日 20:43