自治会の回覧板電子化という問題 その2
昨日付の記事で書いたように、「自治会の回覧板電子化」という問題は思いのほか難しく、抵抗も大きいことがわかってきた。ウチの自治会としても「こりゃ、当分ムリだわ!」と、完全にあきらめムードになっている。
何しろ自治体から出てくる「市からのお知らせ」からして「紙」の形でしか提供されず、「電子データでもらいたい」と希望したところ「それはできない」という回答だったらしい。市役所に行けば職員のデスクには一応「1人 1台」の体制で PC が置いてあるのだが、一体何に使ってるんだろう?
とにかく行政のデジタル化は民間よりさらに遅れており、「ペーパーレス」なんてのは掛け声ばかりで全然進んでいないらしい。課長レベルだと書類は紙の形でしか読めない人もいると聞いて、どっと疲れた。定年前の地方公務員なんだから、60歳にもなっていないのだろうに。
そんなわけで、回覧板を電子化するとしたら紙の形で配布された「お知らせ」を、自治会サイドで電子データ化する必要が生じる。ところが「コピー → PDF 化」という難しくもなんともない作業のできる人材がほとんどいない。「一体いつの時代に生きてるんだろう」と思うほどだ。
「回覧板を読むためのアプリは、どこでもらえばいいの?」なんて言い出す人までいる。実際問題としては、そんなの LINE (このアプリ、決して好きじゃないんだけど)のグループ機能を使うのが費用もかからず手っ取り早いのだが、それさえよくわからんという人が少なくない。
そんなわけで、世の中ではご大層な「自治会回覧板用のアプリ」が有料で提供されたりしている。中でも派手なプロモーションを展開しているのが「結ネット」というシステムだ。
ただこれは個別の自治会で採用するというより、市町村が一括採用して自治会に流してこそ生かされるといったもののようなのである。ということは、機能がムダに豊富すぎて、どうせフルには使いこなせないのが見え見えだ。私の感覚では「税金の無駄遣い」でしかない。
それに「市町村で一括」なんてことを期待していたら、この辺りはジイさんバアさんが多いから 10年待ってもムリだろう。
というわけで、相変わらず「紙の回覧板」を回すほかないようなのである。昭和はまだ終わっていない。
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