酒飲んで顔が赤くなる人は、コロナにかかりにくい?
最近ほとんど酒を飲まなくて済むカラダ(というよりココロかな?)になってしまって(参照)、3日前に出席した高校の同窓会で飲んだのが、驚くべきことに今年初めての酒だった。すぐに酔っ払ってしまうかと心配したが、それほどでもなくフツーに飲んでいられたので安心した。
ところで、サガテレビが "酒で顔が赤くなる人は「コロナかかりにくい説」 佐賀大学研究結果を報告" というニュース(上の動画)を伝えている。
佐賀大学の研究チームが去年行ったコロナと飲酒についてのアンケート調査で約 800人からの回答を分析したところ、「2021年8月までの期間で、酒で顔が赤くなる人は感染リスクが約 5分の 1にとどまっていた」(太字注意: 上の動画の 55秒目あたりから注目 )というのである。
とはいえこのニュースを報道したサガテレビが行ったアンケート調査では、「赤くなる人」がコロナにかかった割合は 39%で、「赤くならない人」の場合は 45%だったという。「なんだ、それほどの差がないじゃん!」と言いたくなってしまう程度のものだ(太字部分は駄洒落)。
酒で顔が赤くなるのは東アジア人に多い特有なもので「アジアンフラッシュ体質」と呼ばれ、日本人の概ね 2人に 1人はこの体質らしく、珍しくもなんともない。ところがこの体質でもコロナに感染したことのある人の数は既にかなり多くなっていて、「5分の 1」という数字はまったく実感に添わない。
酒を飲んで顔が赤くなるというのは、私自身そうだし、私の家族・親族でも、妹の夫以外は全員当てはまる。ところがコロナにかかっていないのは私と妻だけで、後はウチの 3人の娘、妹とその家族 2人はみな感染済みだ。つまり「顔が赤くなっても感染率 75%」である。
念のため佐賀大学の発表したプレス・リリースに当たってみたが、少なくともこのリリースには「5分の 1」なんて文言は見当たらない(参照)。さらにサガテレビのニュース動画をみる限り、佐賀大学の松本明子准教授の口から直接語られているわけでもない。
「それって一体どこから出てきた数字なんだよ !?」と気になって仕方がなくなり、ググってみると、朝日新聞の記事に次の文言が見つかった(参照)。
2回目のワクチン接種が進んでいた 2021年 8月末までに新型コロナに感染した人は、アジアンフラッシュ体質でない人を 1とすると、アジアンフラッシュ体質の人は 0.21で、感染の確率は約 5分の1だった。
なるほど、2021年 8月末では確かに「感染の確率は約 5分の1だった」ということで、要するに、3年近く前の「初期の時点でのデータ」ってわけね。だったら、それ以後にこの差はどんどん縮まっているという事実にもしっかりと触れるべきだったと思うがなあ。
あるいはニュースとしてのインパクトを損なわないために、敢えて過去のデータを強調するにとどめておきたかったのか。いずれにしても、マスコミのこうした姿勢には要注意である。
実際問題としては、とりあえず「自分は飲酒で顔が赤くなるからほんの少しだけコロナにかかりにくいし、かかったとしても軽症で済む傾向がないわけでもないようだ」程度にシンプルに思っていれば、少なくとも精神衛生には悪くないだろう。
逆に顔が赤くならない人も、「何だか言われてるみたいだけど、大した差はないみたいだから気にしないでおこう」と思っていても構わないぐらいのものだよね。
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コメント
記事とは全く関係ない無いコメントで大変申し訳ないのですが…。
本当に関係ない話なので、削除して頂いてもかまいません。
先日のNHKの「鶴瓶の家族にばんざい」の舞台が庄内、酒田でした。
takさんはここで幼少期を過ごされたのだなぁと思った次第です。良さそうな町でした☆
投稿: Senna | 2024年5月28日 19:39
Senna さん:
酒田では幼少期というか、18歳まで過ごし、高校卒業後に上京してワセダに通いました。
なかなかいい町ですよ。最近はまたいろいろな地域活動が活発化しているようですしね。
投稿: tak | 2024年5月28日 20:07