自転車のヘルメット着用と右側通行の問題について
読売新聞が "自転車ヘルメット浸透せず、都内着用9%…「面倒」「置き場所ない」「髪形崩れる」" という記事を伝えている。着用しない言い訳 3つが見出しになっているのが、ちょっとお笑いだ。
この記事は東京版の記事らしく、連動しているらしい大阪版では ”大阪 5.8% 東京 9.1%、自転車ヘルメット浸透せず…努力義務化から1年” と、東京を哀しく意識した見出しになっている。
どちらも「自転車ヘルメット浸透せず」というトーンは共通した事実で、これほどまでに惨憺たる状態なのは「努力義務」なんていうチョー曖昧な制度だからなのだろう。自転車に関して日本人の多くは、「努力なんて嫌い!」と明確に態度表明するのを厭わない。
私はこれまで何度も書いているが、とにかく自転車に乗る場合の日本人の「遵法意識の低さ」に関しては、正直言ってどうしようもないと思っている。私が「ヘルメットをかぶらない」ということ以上に問題だと思っているのは、自転車の右側通行だ。
現実に多くの自転車が道路の右側を走っており、多分きちんと左側通行しているよりもずっと多いと思う。これが危険なのは、2017年 5月17日付、同年同月 19日付でも書いている通りだから、ここでは改めて書かない。
エスカレーターに乗る時は法律でも何でもないのに左側に(大阪では右側だが)一列に並ぶ日本人が、自転車だと急にデタラメになって道交法を守らないというのは、説明しにくい不思議な事実である。深く分析すれば、とてもおもしろい日本人論になるだろう。
ただ、自転車のヘルメット着用率に関しては、愛媛県が 59.9%、大分県が 46.3%、群馬県が 43.8%と、比較的高い数字(と言っても褒められるほどのものでもないが)を示しているので、自治体の取り組み次第というところもありそうだ。
要するに多くの都道府県が「掛け声」ばかりで、実際には有効な措置を全然取っていないだけである。自転車に乗る人だけじゃなく、警察やお役所も「努力は嫌い」みたいなのだ。念のため書いておくが、私はちゃんと着用してるからね。
「面倒」とか「髪型崩れる」とか言ってヘルメットを着用しないでいて、最悪の場合は命を失うことになるのは当人なんだから知ったこっちゃないが、右側通行は他人の命まで危険にさらすのだから、本当に止めてもらいたいんだがなあ。
【5月 10日 追記】
世の中にはこういう馬鹿もいる。
3年前に埼玉県で逮捕された時の映像だとスポーツ車だったのが、罰金払うために売っ払ったのか、今度はママチャリでやっちゃってる。ほとんどビョーキだね。
こういうことしたいんだったら、ちゃっとヘルメット被れよな。
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コメント
群馬県が 43.8%と着用率が高いのは県民の意識が高いからではありません。
群馬は車の普及率が全国一です。よって自転車が走ってるのを見ることは少ないです。ほとんど車移動です。
唯一自転車に乗ってるのを見るのは中高生の登下校時です。
当然彼らは学校で規定のヘルメットを買って着用するので着用率は上がります。
努力義務なんて甘いこといってないで過料千円くらいとってもいいでしょう。車の運転者と本人の為でもあります。
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/poster/R3jitensyahelmet_leaflet.pdf
投稿: ハマッコー | 2024年5月 6日 21:48
ハマッコー さん:
なるほど、そういう事情ですか。
ただ、茨城県では中高生の自転車通学時でも、ヘルメットを被っているのは半分以下ぐらいです。
茨城県の交通安全意識は、かなり低いですからね。
投稿: tak | 2024年5月 7日 06:45