「舌先三寸」と「口先三寸」
山梨県でネットを中心に不動産業を展開しているフロンティア技研のブログに掲載された 2年以上も前の記事なのだが「舌先三寸? 口先三寸? 意味と誤用」というのがある。"「本心でない上辺だけの巧みな言葉」を何という?" という問題だ。
言うまでもないが、正解はもちろん「舌先三寸」で、「口先三寸」は誤用。
ところで私の使っている日本語入力システムの ATOK で、この記事を書くために多分生まれて初めて「くちさきさんずん」と打ち込んだところ、いきなり下のような警告表示が出てきた。"「舌先三寸」の誤り" だから、shift + return で「舌先三寸」に修正しろというのである。
なんともはや、実に親切な設定だが、今回は行きがかり上、誤りは重々承知の上で入力する必要があるのだからしょうがない。というわけでそのまま続行していると、何度も同じ表示が出てきてめげそうになった。3度目ぐらいで事情を察して、後は放っといてくれるという設定がないものかなあ。
言うまでもなく、「口先三寸」という慣用句はない。少なからぬ人たちが「口先だけのごまかし」みたいな言い回しに引きずられて、言い間違えているいるだけだ。
ただこの記事には「誤用で使っている人の方が多いというデータがあります」なんてことが書いてあり、次の文章を読むと「おやおや」と思ってしまう。
文化庁の平成 23年度『国語に関する世論調査』では、本来の言い方である『舌先三寸』と回答した人が 23.3% に対し、本来の言い方でない『口先三寸』と答えた人が 56.7% という逆転した結果が出ています。
「逆転した結果」と言っても、並みの逆転じゃない。誤用しちゃう人の方が 2倍以上多いというのだから、かなり嘆かわしいい話だ。
世の中って、一度ボタンの掛け違いが起きると、なかなか修正しにくいもののようなのだ。「あらたし」が「あたらしい」になってしまった(参照)のも道理である。
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