ポテトチップスや袋菓子に、たばこ並みの依存性?
National Geographic 日本版の "「超加工食品」でたばこ並みの依存性が判明、渇望や禁断症状も" という記事を読んで、驚くというより「やっぱりね」と思ってしまった。ポテトチップスや袋菓子、ハンバーガーなどで「超加工食品依存症」という状態になりやすいというのである。
ちなみにこの記事は、National Geographic 日本版の有料会員でないと最後まで読めないことになっている。オリジナル版なら無料で全文読める(参照)が、英文なのでざっと読み流していたところ、昨日付の日本経済新聞に日本語訳全文が掲載され(参照)ていると知り、おかげで楽にしっかり読めた。
ちなみに「超加工食品」は英語でもそのものズバリ "ultra-processed foods" と言うのだね。というか、元々「翻訳語」なのかな?
いずれにしても、日経の翻訳記事がいつまで無料で読めるかわからないので、興味のある方は早めにどうぞ。
内容についてかいつまんで言えば、超加工食品を食べるというのは「脳の報酬系を強く活性化」させるため、その報酬を際限なく求め続けることになるというのである。要するに「つい食べ過ぎる」ということで、次のようなメカニズムだ。
ラットを使った 1980年代の研究で、報酬の餌を得るためにレバーを押すときに、ラットの脳内のドーパミン報酬系が大幅に活性化することが示されたのだ。これは、ラットにコカインを与えたときと(そこまで強烈ではないにせよ)同様の反応だった。
人類の進化において「脂肪分や糖分を多く含む食物を探し求める行動は生存に欠かせなかった」ため、「そうした食物を摂取するとドーパミンが放出されて脳の報酬系が活性化されるように進化してきた」のだという。これは古代人類が厳しい環境の中で生存し続けるための、望ましい反応だったのだろう。
ところが今や、そうした食物はとくに探し求めなくても手軽に手に入る。超加工食品だらけになった現代の食環境で人間の脳は「勘違い」を起こしてしまい、どんなに多量に摂取しても「もっと食べたい」と思ってしまう。コカイン摂取の時と変わらない反応というわけだ。
で、超加工食品とはどんなものなのかというと「袋菓子、朝食用シリアル、ほとんどのファストフード、大量生産されたパンやデザート、ソーセージ、ホットドッグ、冷凍魚フライ、ソフトドリンク、アイスクリーム、キャンディーなど」で、つまりスーパーの棚にある袋詰め食品の大部分が該当する。
これらの食品の依存性は、たばこにほぼ匹敵するというのだから、「ほとんど麻薬」と言ってもいいだろう。こうした「ほとんど麻薬」の食品で脳内のドーパミン報酬系を活性化させつつ、「もっともっと・・・」と食い続ければ、少なからぬ米国人のようにでっぷり太ってしまう(参照)のも当然というわけだ。
我が家では主として素材から調理したシュガーレスの料理を食っているのでまだ何とかなっているが、出張や旅行先ではそんなわけにも行かない。「中毒」なんかにならないよう注意することにしよう。
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