30年以上の孤独体験は陰謀論者の中年を作る?
Gigazine に "陰謀論者の中年は学生時代に「ぼっち」だったとの研究結果" という記事がある。元記事は nature communications というサイトにある "Loneliness trajectories over three decades are associated with conspiracist worldviews in midlife" という記事。
今月 16日の記事でも書いたように Gigazine の翻訳って今に始まったことじゃないが読みにくいし、あまり当てにならない(参照)。時には意味がひっくり返ってしまう誤訳まであるので、一応元記事の方も紹介させてもらった次第である。
今回も元記事タイトルの "Loneliness trajectories over three decades" (直訳すれば「30年以上の孤独の軌跡」)が " 学生時代に「ぼっち」だった" となるのは、いくら何でも「はぁ?」と思ってしまう。30年以上も学生続ける人もいないわけじゃないが、極々少数だろう。
これはノルウェーでの研究結果からの推論で、翻訳記事によれば「思春期に強い孤独を味わった人や、生涯にわたり孤独だった人は中年期に陰謀論的な世界観にはまってしまいやすい」というレポートだ。
ちなみにこの部分にしても「生涯にわたり孤独だった人は中年期に・・・はまってしまいやすい」という翻訳がちょっと不自然で、唐突な「脳内スイッチバック」を強いられちゃうよね。せいぜい「それまで孤独な人生を送ってきた人は・・・」ぐらいに訳しとけばよかったのに。
ただいずれにしても「孤独な人が孤立感から自尊心を守るために陰謀論に走ったり、陰謀論者のコミュニティにつながりを求めたりする」ことから陰謀論者になってしまうという推論は、一つの可能性として心に留めておいてもいいだろう。
英文の元記事にはかなり学術的な見地からの解説や関連記事へのリンクもあるが、詳しく読み込むのは疲れそうで、例によって「流し読み」しかしていないので、そのあたりはよろしく。
とにかく「人とのつながりを求めつつ、それがうまく行かずに孤独に陥ってしまった人生」というのは、ちょっとアブナそうだ。人付き合いが下手なら下手で、「俺は独立独歩で行くわ!」という方がずっとマシなのかもしれないね。
ちなみに私の場合は常に仲間には恵まれていたのだが、時々は鬱陶しくなって敢えて孤独を求めたりしていたなあ。海とか山とかに一人で行くのが好きだった(とくに登山はほとんど単独行だった)のは、そういうことだったんだと思う。
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