京都の「オーバーツーリズム問題」を考えてみる
現代ビジネスが "住民が市バスに乗れないほど観光客が殺到、舞妓さんを執拗に追いかける者も… 京都が苦しむ「オーバーツーリズム」の現状" という記事を伝えている。前々から噂には聞いていたが、住民が市バスに乗れないほどというなら、それは確かに大きな問題だろう。
私は個人的に、関西方面への出張の度に京都に寄り道して神社仏閣巡りなどをするのを楽しみにしている。最近は確かに外国人観光客の姿が増えている印象があるので、祇園などのいかにも混雑しそうなスポットは避けて、地下鉄で郊外まで行って静かな寺などを訪れることが多い。
2ヶ月ほど前も姫路への出張の帰りに京都に立ち寄り、この時は時間が足りなかったこともあって、珍しく京都の中心街を歩いて、手ぬぐいの博物館なんてのを眺めてから家路に就いた(参照)。ただこの時は、雨の降るウィークデイだったこともあってか、それほどの混雑ではなかったがなあ。
そもそも私は、京都での移動は地下鉄を利用することが多い。京都駅前のバス乗り場は確かにうんざりするほどの人混みになっていることがあるが、地下鉄はそんなに混まないし、バスより迅速に移動できるので、どうしてみんな地下鉄に乗らないのか不思議でしょうがないほどだ。
率直な印象を言わせていただけば、京都というのは一大観光地の割には、人混みを分散させることが下手だ。駅構内、駅前などでは、目立つところにある JR 指定席券売り場は長蛇の列だが、少し歩けばスカスカの売り場があったりする。このあたりの案内が、かなり不親切に感じることが多い。
そもそも京都人というのは、必ずしも「親切」ではなかったりする。大昔からこの「不親切」で十分にやってこれたのだから、今さら急に「親切になれ」と言っても無理なのだろうが、混雑を分散させるということに関しては「不親切」を通り越して「下手」の領域にあると思う。
祇園などでは「一見さんお断り」などの「来るな」というアピールはしているようだが、街を挙げて「ほかにも行くところがいくらでもあるよ」という案内をする必要があるだろう。
ただそうした案内が行きすぎると、これまであまり外国人が行かなかったようなスポットにも人が押し寄せて、私のような「静かな穴場好き」はうんざりしてしまうかもしれないが。
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コメント
>地下鉄はそんなに混まないし、バスより迅速に移動できるので、どうしてみんな地下鉄に乗らないのか不思議でしょうがないほどだ。
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その通りなんですよ。大阪ほどではないですが京都も地下鉄がそこそこ二本走ってるので、例えば二条城に行くのは市営地下鉄東西線の二条城前で下車してくださいとか、平安神宮へは東山駅で下車して徒歩十分ですなどと地下鉄での移動をなぜ促さないのかと思ってました。
たとえ地下鉄の駅から徒歩30分でも京都は歩くのが楽しい街なので地下鉄を含めた鉄道での移動を積極的に進めるべきです。
京都の財政赤字は地下鉄が主因なのですよ。
ところで、40年以上前に京都で五年働いてましたが当時の花見小路なんて長閑なもんでした。今は団体観光客の行動が度を越してます。
https://www.youtube.com/watch?v=w1kJSxmV4FI
もう我慢の限界でしょう。
投稿: ハマッコー | 2024年6月 9日 21:57
>ハマッコー さん:
>たとえ地下鉄の駅から徒歩30分でも京都は歩くのが楽しい街なので地下鉄を含めた鉄道での移動を積極的に進めるべきです。
これ、モロに言えてますね。
ご紹介の YouTube 動画、「妖怪おばさん」のタイトルはまさにピッタリですね。
投稿: tak | 2024年6月10日 06:31