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2024年6月30日

奈良公園における「フンコロガシ」の下座の行

「いろいろなものを調べる雑学メディア」という触れ込みの「草の実堂」というサイトに、"奈良公園の観光を影で支えていたのは「働きものの糞虫(フンチュウ)」だった" という記事がある。糞虫というのはあの「フンコロガシ」を含む、一連の糞を分解してくれる昆虫群の総称である。

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奈良公園はこれまで何度訪れたか覚えていないほどだが、あの広い敷地の芝生がきれいなことにいつも驚く。あれは人の手で整備されているわけではなく、鹿たちが芝草を餌として食べているからなのだそうだ。「鹿せんべい」なんて、せいぜい「おやつ」程度のものらしい。

しかし鹿が盛んに芝草を食べれば、当然の結果としてポロポロと「糞」が出る。参道の石畳に落とされた糞は人間の手で掃除されるが、広い芝生の中までは手が回らない。糞がそのまま放置されればウジが湧き、ハエの大発生につながるが、そうならないのは「糞虫」の活動によるものだという。

虫たちが鹿の糞を分解し、土に戻してくれているのだ。

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糞虫は畜産においても重要であるらしく、牧羊の盛んなオーストラリアでは地場の糞虫だけでは足りず、他国から大量の糞虫を移入したことがあるという。何しろ、羊の頭数が人口の 6倍という国だからね。ウールの洋服も、フンコロガシがいてくれるからこそリーズナブルな値段で買えるというわけだ。

げにありがたきは、自然の中で黙々と「下座の行」に取り組んでくれている「フンコロガシ」である。

 

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