次元の違う暑さ・・・ 高温と高湿度
日本もやたら暑いが、米国はもっと大変で、国立気象局(NWS)によれば 3,600万人(全人口のほぼ 1割)が記録的な暑さの影響下にあるのだそうだ。カリフォルニア州とネバダ州にまたがるデスバレーでは、華氏 131度(摂氏 55度)なんてことになっている。
この暑さは「ヒートドーム」という現象(参照)らしいが、それを最も極端な場所でを身を以て体験し、気温表示板の隣に立つ写真を撮るために、デスバレーへの観光客が増えているのだそうだ。動画を見ても、摂氏 55度の日向を多くの観光客が楽しそうに歩いている。
こんな気温の中でヘロヘロにならずに済んでいるのは、砂漠地帯だけに湿度が低いからだろう。暑いことは暑いが、カラッとしているので耐えられるのだ。この暑さの上に、日本のように湿度が 70% を超えたりしたら、そりゃもう、まともに息もできない。
とにかく日本や米国のみならずヨーロッパでも中東でもアジアでも猛暑は大問題で、北極圏でさえ問題視されている。「地球温暖化」なんてことが言われるが、「気候極端化」という方がしっくりくるほどだ(参照)。真夏にオリンピックなんて、もはや狂気の沙汰である。
私の生まれた山形県酒田市では、18歳で上京するまで最高気温が 30℃ を超えるなんて日はそれほど多くなかったように記憶している(参照)。それが今では、当たり前のように真夏日の連続になる。4年前の記事で、私が小学校 6年生だった 1964年の夏について次のように書いている(参照)。
気象庁のデータをみると、この年の酒田の 7月は最高気温 30℃ 以上の真夏日を 1日も記録しておらず(参照)、8月になっても 11日しかなかった。その 11日の内訳も、33℃台 1日、32℃ 台と 31℃ 台が 2日ずつ、残り 6日はギリギリ 30℃ 超えしたという程度だった(参照)。
関東のこの辺りにしてもそうだ。2011年の東日本大震災で原発がストップした時に「電力危機」なんてことが言われたため、私は「それならエアコンなんか使わないよ!」と宣言し、それから 2年間、家のエアコンの電源を抜きっぱなしで過ごした。それで何とか過ごせたのである。
ところが今は、エアコンをつけないで暮らしたら命に関わってしまうと言っても決して大げさじゃない。日本の夏の暑さは、とくにこの 12〜3年で次元が変わってしまった。
昔は夏と言えば、楽しい季節というイメージだった。6月後半頃から梅雨が明けて暑くなる季節の来るのを心待ちにし、8月の旧盆が過ぎれば「行く夏を惜しむ」なんて風情にひたっていたものだ。
ところが今は 6月から暑くてたまらない日が増え始め、10月になってもまだ暑いので、「行く夏」なんて誰も惜しまず、「早く行ってくれ」と思うばかりだ。私も「この暑さがまだ 3ヶ月近く続くのか」とうんざりしながら、今から秋の来るのを待っている。
ただ、何しろ「気候極端化」だから、過ごしやすい秋の季節ってやたら短くなってしまっているのだよね。涼しくなったかと思うと、すぐに寒い冬になる。まあ、昔ほどの厳冬じゃないけど。
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コメント
最近は現場作業員にとって必需品があります。
この暑さの中ではこれがないとやってられないようです。
その名は ‟空調服” です。
ファンで外部の空気を服の中に送り込み気化熱を奪い体を冷やすものです。農作業にとっても必需品です。
https://www.youtube.com/shorts/alxqcwXtY2M
54度だとその効果は不明です。
投稿: ハマッコー | 2024年7月10日 20:53
ハマッコー さん:
屋外作業をしている方の多くが、この空調服を着ておいでですね。これがなかったら、軒並み熱中症で倒れてしまいそうです。
外気温が 54度だと、気化熱を奪わないことはないでしょうけど・・・ 入ってくる外気温が半端じゃないので、どうなんでしょうね ^^;)
投稿: tak | 2024年7月11日 08:43