最強の「ご飯どろぼう」とは?
HUFFPOST に「【ヤバい大葉】5分でできる最強のご飯泥棒!美味しすぎてご飯が止まらない危険なレシピ」という記事がある。そんなことを言われると、一体どんなものなのかと思ってしまうじゃないか。
写真を見ればこんなようなものだ。確かに美味しそうではあるが、近頃の料理紹介記事や食レポなどの表現はおしなべて大げさ過ぎる印象で、逆に食傷気味になってしまう。
もう一つ気になったのは、「ご飯泥棒」という表現である。少なくとも私にとっては初耳だ。
ググってみると、"밥도둑(パットドゥッ)=「ご飯泥棒(ご飯が進むおかず)」" というページがあり、次のような説明がある。
韓国語では美味しいおかずのことを「ご飯泥棒」というらしく、「口をさらう泥棒?」なんて説明がある。ということは韓国語起源の言い方なのだろうか。
一方、特別養護老人ホーム成華園のサイトには「ご飯泥棒」ならぬ「めしどろぼう」という言葉が出てきて、次のように書かれている。
おかずがご飯のお供としておいしすぎるので、「(自分の)ご飯が泥棒されていくように食べ過ぎてしまう」という意味。ご飯を盗んでいる犯人は自分もしくはおかず。
ここでは「口をさらう」のではなく、「自分で自分のご飯を泥棒してしまう」とある。もろに「ご飯をドロボーする」ということのようで、さらに続けて次のようにも書かれている。
そのおかずで自分のご飯を食べつくしてしまい、「余所からご飯を盗んででも食べたい」という意味の飯泥棒もあるそうです。
いやはや、そんなことになったら文字通り「危険」と言っていいだろう。ちなみに飛騨地方には「うら田 飯どろぼ漬」という漬物があるらしく、パッケージにはおひつを抱えて走る古典的な泥棒の姿が描かれている。これはもろに「ご飯を盗んででも食べたい」ということのようだ。
初めて聞いた「ご飯泥棒」というフレーズだが、いろいろなバリエーションがあるものだ。それにしても冒頭の記事の「5分でできる最強のご飯泥棒」というフレーズはスゴすぎで、体重を気にしている人には逆効果なんじゃなかろうか。
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コメント
なんとか泥棒はちょっと表現がかわいくないですね。
ここは「ままかり」くらいが丁度いい。
https://www.okayama-kanko.jp/okatabi/906/page
中学生のころ、沢庵だけでご飯を五杯食べたことがあります。
私にとってのママカリは古漬けの沢庵ですね。
もちろん今はご飯一杯で充分です。
投稿: ハマッコー | 2024年7月 4日 21:43
ハマッコー さん:
そう言えば、「ままかり」というのもありましたね。「泥棒」よりはずっと奥ゆかしいです (^o^)
>中学生のころ、沢庵だけでご飯を五杯食べたことがあります。
いくら古漬け沢庵がおいしいからって、そりゃ、スゴい!
投稿: tak | 2024年7月 5日 06:11
「花泥棒」といった言葉もありますね。
風流なのか、犯罪なのか、文章の前後で意味は変わっってきますが…
投稿: Senna | 2024年7月 5日 07:47
Senna さん:
狂言にも「花盗人」というのがありますね。桜を一枝盗もうとして捕まり、木に縛り付けられて詠んだ歌が風流だったので許され、酒までご馳走になっちゃという筋立て。
どんな歌だったか全然覚えてなかったのでググってみたら、こんな歌だったようです。
この春は花の下にて縄つきぬ烏帽子桜と人やいふらん
狂言だけにちょっと機転が利いてるだけで、特別に優れた歌とも思われませんね (^o^)
投稿: tak | 2024年7月 5日 08:56