ラーメン屋店主の「腕組み」を巡る冒険 その2
昨日付 "ラーメン屋店主の「腕組み」を巡る冒険" の続編である。昨日の記事で私は、店主の「腕組み」ポーズは「ゴリゴリのラーメンカテゴリー」のアイコン化しているようだとした上で、さらに「敷居の高さ」を感じてしまうと書いている。早く言えば、あまり馴染めないってことだ。
それは若かりし頃に合気道を習っていた頃、師範に「道場内で腕組みはしないように」と指導されていたからということもある。「腕組み」というのは「尊大さ」や「傲慢さ」を感じさせるポーズだから、避けたいということだ。
ちなみに、ラーメン屋店主の「腕組み」ポーズにつながるものとして巷間有力なのは、「フレンチシェフが始めたポーズ」という説だ。これに関して「ラーメン屋の店主はなぜ腕を組んで写真に映る?『支那そばや』佐野実の先駆けは〇〇だった」というページに次のような記述がある。
腕組みの写真は、もともとはフレンチのシェフがはじめたポージングといわれている。
シェフの写真を撮る際、白いコック着はバストアップの構図では全体的に白くのっぺりした絵になってしまうからだ。
それを回避するアイデアが広まって、そこで腕組みをすることでメリハリが出てバッチリ決まった。
カメラマンとしてもバシッと決め顔を作りやすいポーズはありがたい。
いつしか腕組みをするポージングはフレンチのみならず飲食人の間で定着していく。
ということなのだが、これ、多分日本特有の事情なのだろうと思われる。というのは、「腕組み」のポーズは合気道の道場内だけでなく、国際的にもあまりいい意味とは受け取られていないからだ。
試しに ”french cuisine chef" (フランス料理 シェフ)というキーワードで画像検索してみても、腕組みをしているフレンチ・シェフのほとんどは日本人で、他はまれに腕組みのように見えるものがあっても、体の下のほうで腕を組み、掌は脇の下で開いているので「傲慢そうなポーズ」ではない(参照)。
メンタルサポートろうむの「腕組みするクセで相手を遠ざけていませんか?」というページには、"腕組みが発しているメッセージは「拒絶」「防御」「威圧」です" とあり、スチュワーデス塾というサイトの「仕草研究講座」というページには「腕組み」の意味合いとして次のように書かれている。
「心臓を守る」 ⇒ 「自分を守る」 ⇒ 「自分の安全範囲を広げる」 ⇒ 「自分にあまり近づいて欲しくない」
となります。同時に、「自分を大きく見せる」という意味もあります。
やはり「腕組み」というポーズには「自分を大きく見せる」「拒絶」「尊大」といったイメージが付きまとうようなのだ。
というわけで、私としては仮に肉食を止めていなかったとしても、腕組みポーズを売り物にしているような店主のラーメン店には入りたくないなあと思ってしまうのだよね。まあ、ラーメン店のみならず、フレンチ店などでもだが。
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コメント
「(大人気有名店)〇〇監修」って文字とともに、その店主(と思しき方)が腕組みして睨みつけてるお姿がプリントされたカップ麺には辟易です。
「オレの流儀、客には媚びねぇ!」
それはそれで結構ですが、アタシャ怖くて近寄れません。
しかも、「ナンチャラ系(を掲げている)ラーメン店」は、独特の「作法」を要求され、それを完遂しないとマトモに喰えないと聞いて、ますます尻込みして近づけません。
「お客様は神様です」の誤用にも辟易ですが、のんびり喰えないメシにも辟易です。
投稿: 乙痴庵 | 2024年8月18日 22:34
乙痴庵 さん:
>独特の「作法」を要求され、それを完遂しないとマトモに喰えない
そりゃ、敷居が高すぎますね。恐ろしくて近寄れません。
投稿: tak | 2024年8月18日 22:46